Episode : 003 ページ3
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fk「照大丈夫?友達作れそう?」
iw「ばーか。余計なお節介だよ」
nb「ふはっ!ふっか、めっちゃ睨まれてんじゃんw」
dt「ほら、HR遅れるよ?じゃあ照、また後で」
iw「おう」
3人はB組、とか書かれた教室へと入っていき、俺はその奥にある2年C組に向かった。
さっき掲示板で見つけた名前がふと頭の中で思い返され、教室に入る前に1回深呼吸をしてから、後ろのドアを開けた。そしたら、もう結構な数の生徒がいて、各々同じクラスを喜んだり新しいクラスの子に話をしたりしていた。
ふと、俺にクラスの奴らの視線が向いた。注目することには、この1年で随分慣れた俺は、気にすることなく自分の席を探した。相沢、秋山、石井、稲葉、岩本......前から5番目。窓際だし、結構いいかもと思って座ろうとして、思わず息を飲んだ。
視線を向けた俺の席の斜め後ろ。風でふわりと長い前髪が揺れた。
誰とも話さず、1人で本を読んでいるいわゆる、陰キャ、と呼ばれる部類の彼は、本から視線を離さずにじっとしている。
思わずその名前を口にしそうになって、慌てて口を噤んだ。そして、平然を装って自分の席に着く。クラスを見渡すフリをしてちらっと彼を見れば、面白い本なのか口角がきゅっと上がった。その顔に、顔が熱くなる。
岩本照、高校2年生。
そして、あの子の名前は佐久間大介。
好きな子と、同じクラスになりました。
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作者名:翠恋 | 作成日時:2021年10月24日 0時