Episode : 025 ページ25
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ベランダに干していた洗濯物を思い出し、窓を開けて取り込む。
外はすっかり夕暮れに染まってて、案外、ここから見る夕陽は綺麗だったりするから、最初に来た頃はよくベランダでボーッとしてたな、と考えていた。
すると、控えめにノックされた音がしたような気がして、俺はベッドの上に洗濯物を放り投げ、急ぎ足でドアに向かう。気のせいかな、とも思ったが、念の為「どうぞ」と言えば、ゆっくりドアが開いた。
sk「......あ、こ、こんにちは」
iw「っ!こんちは...」
佐久間がいた。ちょっとぎこちない笑顔で笑う彼に会えたのは嬉しいが、思わず廊下を覗き込み、誰もいないかを確認した。すると、そんな俺を見た佐久間は「ちょっといい?」と中に入ったのでドアを閉めた。
sk「......やっぱり、迷惑かな?」
iw「え?」
sk「いや、そのっ...めめとか、ラウがいつも岩本くんたちに冷たく当たっちゃってるから......」
iw「別に、そんな事ない。お互い様だろうし」
子犬みたいに、しゅん、と下を向いてしまった彼になんだか申し訳なさが勝ってきて、ちょっとぶっきらぼうにはなってしまったが俺がそう言うと、様子を窺うように見上げる......が、視線は全く違う方向を向いている。どうしたのかと思ったら、彼は突然「あー!」と指差しながら大声をあげた。
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作者名:翠恋 | 作成日時:2021年10月24日 0時