#030 ページ30
･
しょうたくんと涼太さんを鏡の部屋に向かわせるために、俺はわざと飛び出した。そしたら、案の定低級の悪魔たちは頭悪いから『裏切り者！』などと俺に罵声を浴びせながら追いかけてきた。悪いけど、そんな生温い追いかけっこじゃ俺を捕まえられないよ？
移動しながらある程度部屋から離れた方へと引き寄せて、多分鏡の方には深澤や照くんが行くはずだからと一気にそっちまで飛んだ。
気づかれないように物陰に隠れて様子を窺うと、向こうを出る前に涼太さんが連絡を取っていた阿部さんと佐久間さんも合流していた。先に鏡に飛び込んだ2人の後を追うように涼太さんとしょうたくんも飛び込むが、誰かが捕まえようと手を伸ばした。その姿に、思わず息を飲んだ。
mm『......康二っ...?!』
物凄い形相の康二。正しく悪魔らしい表情を浮かべた彼がしょうたくんの手を掴む。離すまいと必死な涼太さんの姿を見ていたら、俺は、昔の感情が蘇ってきた。
......あの決意を、形にするのは今じゃないか？
康二はきっと望まないかもしれない。だから、これは俺の完全な自己満足でわがままにはなってしまうんだけど。
kj『......せやったら、2人とも、楽にさせたるわ』
そう呟いた康二の声が聞こえて、見れば手に持った刃物を振りかぶったところだった。後先考えずに飛び出して、しょうたくんを強く掴む康二を後ろから抱き締めた。大事に、大事に包み込んだ体はもう冷たいけど、腕の中にいるのは確かに康二で。彼は驚いたのかしょうたくんを掴んでいた手を離した。
mm『__________......もうやめよう、康二...』
kj『......め、めめ......？』
語りかけるように、なるべく優しく話し掛ける。
kj『っ、めめ！離してや！お前っ...』
mm『分かってる、分かってるから......やめてくれ...』
康二の手を、汚させたくないんだ。
それだけは、越えさせたくない一線。それを越えてしまったら、きっと、康二はもう戻れないから。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「目黒蓮」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翠恋(プロフ) - みょさん» みょさま、コメントありがとうございます！嬉しいかぎりです...！また別の作品も宜しければ読んで頂けると喜びます、ありがとうございました！ (2022年7月26日 5時) (
レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
みょ(プロフ) - ありえないくらい泣いてしまいました、、、めめこじまた出会えてよかった、、最高すぎました！！！😭✨ (2022年7月26日 3時) (レス) @page43 id: 6a1ddb5ea7 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - orange72019さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、めちゃくちゃ嬉しいです...！またどこかの作品でお会いしたらよろしくお願いします！！ (2021年12月5日 15時) (レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
orange72019(プロフ) - 超泣きました………最高すぎます！！！！、 (2021年12月5日 10時) (レス) @page42 id: cdf058685f (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - 桃色ウサギさん» 桃色ウサギさま、コメントありがとうございます！こちらこそ、最後まで読んで頂き、ありがとうございます。また別の作品でお会いできるのを楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします！ (2021年10月18日 18時) (レス) id: fb1d0da99a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翠恋
| 作成日時：2021年7月23日 23時
