9人9色~恋模様~ (ページ8)

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同級生 × 紫色ページ8

「あ！いたいた、A！数学の教科書貸して！」

「…雄也、また教科書忘れたの？」

「おう！だから、貸して～」

「…どうせちゃんと授業受けないくせに」

悪態をつきながら教科書を渡すと子供みたいに無邪気な笑顔を見せ「さんきゅ！」と教室を去っていく髙木雄也

見た目がちょっとチャラいから、怖がられがちだけど

中身は本当に子供みたいなふざけたやつで

何より、雄也の笑顔が大好きなんだ

授業が終わり、雄也が教科書を返しにきた

「A、さんきゅ。助かったわー」

「いーえ。…雄也、また落書きとかしなかった？」

「えっ…？し、してないよ…？」

「ちょっとー！何書いたの?!」

慌てて教科書を開いて確認すると、とあるページの隅っこに文字が書かれているのを見つけた

そこに書かれていた文字に、驚きが隠せなかった

「………えっ？」

雄也の顔を見れば、真っ赤になっていて、窓の方を見つめている

「な、なんだよ…悪いかよ！///」

もう一度、教科書の隅っこに書かれた文字を確認する

"Aのこと、大好きです"

口が悪くて、不器用な優しい人

それが、髙木雄也っていう

私が好きになった人

End...