転校生 × 水色 ページ12
「んー...届かない...」
なんで図書委員なんかなっちゃんだろ
そう思いながらも背伸びをして本を元の場所に戻そうとしていた
よりによって脚立が貸し出し中とか
よりによって1番上の棚にあった本とか
本当、仕組まれたみたい
背の小さい私が、いくら背伸びをしたって届きそうにもないから
もう明日担当の子にでもやってもらおうかと思っていた時
「...それ、ここに入れるの?」
「そうなんだけど...って、え?」
「貸して」
そう言って私の手から本を取ると、スッとしまってしまった長身の彼
見た事のない人物に驚いていると、爽やかな笑顔を浮かべた彼は「あとは?」と聞いてきた
何冊かあることを伝えると、彼はその全てを一緒に片付けてくれた
そんな長身の彼の優しさと笑顔に、私の心は簡単に奪われていた
そして片付け終えてカウンターに戻ると、1冊の本を手渡される
「これ、借りてくね?」
「あれ...う、うん」
さっき片付けて貰ったはずの、1番上の棚の本
貸し出し表に名前を書くと、扉を開けた彼は
「俺、中島裕翔。__________また、片付けてるの手伝わせてね?」
じゃあ、と行ってしまった彼だけど
また会えることが約束されたことが、すごく嬉しかった
図書委員になって良かった
なんて、単純すぎるかな?
(End.)
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作者名:時雨 | 作成日時:2015年8月6日 22時