初夏の枇杷に溺れて、

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てつやイケメン化計画第二弾は思いのほかの大反響で連日コメントには

"てっちゃんにまた惚れた"


"結婚して"


"やばい、マジで惚れ直した"

とのラブコールが止まらない


それを見ている徹也はいつもならきっとニヤニヤするんだろうけど最近はその逆。


心配事が多そうな表情を浮かべることが多い


「んー……………」

編集が行き詰り俺は散歩に出ることにした


一人暮らしは寂しい

何かペットとか飼えば変わるのかもしれないけど俺が今欲しているのは人肌の温もりなのかもしれない


付き合ったら終わりがある。その終わりが怖くてなかなか次の恋愛に進めずにいた







6月は夜もだんだん蒸し暑くなってきてじんわりと汗が滲む

気づいたらAちゃんのお店の前に来てしまっていた



入口を開くと枇杷を象った鈴がカランカラン、と音を立てる

『いらっしゃいませ』

「ひとり…」

平日の夜ということもありお客さんは俺と同い年くらいの男性と少しお歳を召したおばあさん

他のお客さんはテーブル席の方に座っているから俺は1人カウンターに腰を下ろした

『亮さん、お久しぶりです』

「うん、久しぶりだね」

おしぼりを出してくれるAちゃん

「レモンサワーひとつ」

『少々お待ちください』

自家製と言っていたレモンピューレにリキュールを注ぎ炭酸水で割ってくれる

これがたまらなく美味しい

『レモンサワーです』

「Aちゃんも飲もうよ、俺につけといて」

そう言うとAちゃんはご馳走様です、と言いレモンサワーを作った


「乾杯」

『いただきます』

グラスを合わせてレモンサワーを一口。


「あー、美味しい」



『良かったです』



「ていうかAちゃんって彼氏はいないの…？」


頑張って聞けた……………



Aちゃんは一瞬驚いたような表情を見せて


『いませんよ』

と言った


心の中でガッツポーズをうかべる俺



ちょっとチャンスないかな…

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