【コラボ】学園という名の…②【歌い手】 (ページ8)

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この傷は～男主視点～ページ8

息苦しい…
そう思い目を開けると

「空！」
「起きた！？」
うるさかった…

『俺…』
息苦しくて倒れたんだっけ…

「発作じゃなくて喘息のほうだよ」
ナノが扉を閉めながら入ってくる

「今歌詞が薬とってきてくれてるから」
『柚子は？』
歌詞太郎さんに感謝しつつもそっちのほうが気になる

「あ、それなら安静しとくように言っといたよ！」
そうか
やっと96先輩も説得力を身につけたか

「発作じゃなくてよかったわぁ☆」
ああ、アンさんのせいで発作するかも

「本当だよ、薬を持ってなかった空が悪いからね？」
ナノの注意も聞かないでこの部屋が自分の部屋だと気づく

『ふぅ…でも今日はまだ一回も倒れてないんだよ？すごくない？』
そう言うとナノはそういう問題じゃないと頭を小突く

「じゃ、俺柚子ちゃんのとこ行ってくるから」
そう言ってらむ先輩は部屋を出てく
俺も！なんて店長と96先輩、しゃむくんも出てく
何しに行くかは大体予想つく

『あ、じゃあいきなり倒れてごめんって』
「言っとくよ」
バタンという音がして10秒後

「これ…？」
はぁはぁと息を切らしながら歌詞太郎さんが持ってきたものは紛れもない喘息用の薬だ

『お疲れ様です』
薬を吸って多少の吐き気を振り払い立ち上がる

「もう大丈夫なの？」
天月君が心配そうに聞いてくる
まぁ、吐き気が完全になくなったら大丈夫だ

4時…
そろそろ授業が終わる
と同時にろん先輩が帰ってくる
その前に生徒会室に行かなければ

「ただいまーって…」
あ、T先輩帰ってきたのか

「T君おじゃましてるよー」
「ごめんなさいねぇ☆」
「こんにちは！」

まあ無許可で入れてしまったからびっくりはするよね

『T先輩ろん先輩は？』
一応聞いておく
知って損はないだろう

「ろんなら黒川と話しながら帰ってたよ
それと、一年の教室に行ったらな」
なんだ
嫌な予感がする

「お前のことを最低だのなんだの言ってたんだよ」
あらそらる会長

「帰りが遅いと思ったら…」
呆れながらいうそらる先輩の顔は少し安心したようだった
まったく素直じゃない

さてと…とベッドから降りると隣の部屋からものが落ちる音がした

何事かと隣の部屋へ入ると

黒川が泣きながら話していた

声は聞こえなかったが口の動きでわかった

―この手首の傷、空君にやられたんです―