【コラボ】学園という名の…②【歌い手】 (ページ16)

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作り笑い～男主視点～ページ16

『ただいまー』
生徒会室のドアを開けるとペットボトルが飛んできた
ギリギリでキャッチする

「帰ってきたー」
「「お帰りー！」」
ははは…
相変わらずのようで
ちょっとソファの位置が変わっただけみたいですね

「はぁ…退院早々悪いな」
相変わらずのようですねそらる先輩

「スズム、ペットボトルなげるなよ」
そう
それが一番びっくりした

「え？あ、ごめーんそれ俺からの退院お祝い」
俺の退院は150円にも満たないということか

「空ー！細くなったねー」
お前は変わらんなぁナノ
でもゴミ箱お菓子だらけだぞ
しかもチョコレート全般
そろそろ豚の体型になってもいい気がする

みんなからのお帰りに適当に挨拶して荷物を置く

「もう授業終わってるから部屋に置いとこうか？」
T先輩が荷物を持ち軽っと言っていたが俺の体では重いのだ
米5キロでも持ったら骨が折れる

「そこらへん歩いてくればー？」
店長もたまにはいい提案をするなと思いつつ薬の確認をする

『んじゃ、行ってきますか』
ソファから立ち上がりドアの方へ歩く

「あ、空！ちょっといいか？」
のはいいんだが歌詞太郎さんに止められた

「柚子の事なんだけど…」
小声で話すということはまだみんな知らないのか
もしくはあまり大きな声で言いたくないのか

「笑わなくなったんだ」
は？
いや、でも教室をみたら笑ってたしさっき会った時も笑ってた

「なんか作り笑い？っていうのかなそればっかでさ
本当に心から笑わなくなったというか…」
ああ、そういうことか
思えば柚子があんな嘘耐え切れるわけなかったんだ
柚子の本当の笑顔を奪ったのは

“我侭な俺”だ

その場にいれなくなり月が見えるあの場所に行った
もう三日月が出ていた
あそこに行けば気分も晴れる
そう信じて走り続けた
やっとのことでついた“その場所”は誰もいなかった
ベランダの手すりに座り月を見る
ここは結構高いから今の俺が落ちたら即死だ
以前の俺なら大丈夫だろうけど
そんなことを考えていたら

「空君飛び降りちゃダメ！」
あの声が聞こえた
振り返れば必死な柚子がいた

―…ねぇ、その必死な顔もつくってるの？