【コラボ】学園という名の…②【歌い手】 (ページ12)

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入院～男主視点～ページ12

真っ白い天井…に医薬品の匂い

「起きたかい」
先生が覗き込んでくる

「ナノ君にも言ったんだけどしばらくは入院してもらおうと思うんだ」

「もちろん嫌なら入院しなくていい、自宅休養でもいいんだが」
話を聞きながら無理やり呼吸を整えるマスクをとる

『入院でいいです』
少し外したくらいなのにもう息が上がっている
随分弱くなったものだ

「そうか、なら準備してくるからその間安静にしといてくれ」
あの先生にも結構世話になっている
俺が小さい時から治療をしてくれた
しっかし…
悲しいくらいに弱くなったな俺

「起きたー？」
またノックしないではいって来た
ということはナノか

後ろに数人いるけど

「大丈夫か」
そらる先輩が病院にいるってないわー
なんか合わないｗｗｗ

『このとおり』
わざとらしく両手をひらひらさせる

「入院するの？」
天月君…
後ろのエルモはどうすれば？
抱いて寝ろと？

『まあね一週間くらい』
そのあいだの仕事はT先輩がやってくれるだろう

「無理すんなよ」
わーってると適当に話してやっと思い出した

『あのあとどうなったの？』
全員がさぁ？と答える

「柚子は帰ったよー」
部屋に！？
ろん先輩になんか言われてないかな…

「柚子に入院すること言う？」
歌詞太郎さんが携帯を持ちながら聞いてくる

『言わなくていい、アンさんとからむ先輩とかには言っといて』
窓の奥の校舎を見ながら答える

「空君」
先生が数人の看護師を連れてきた

「先生またお願いします」
ナノめ…
こういう時だけいい顔すんな

「いえいえ、大丈夫だよ」
「じゃあ、腕を出してください」
腕を出し服の裾をまくる
みんな頭に？を浮かべている

『あ、天月君は見ないほうがいいよ』
「注射！？」
『うん』
そういうと一目散に部屋の隅でエルモを抱きしめて目をつぶっている
可愛いなおい

「じゃあみんな部屋から出ていってください」
そうそう
これから俺の意外な素顔が見れるからね

「え…」
「いいからいいから」
ナノが無理やり部屋から出していく
哀しそうな顔をしながら

「では行きます」
チクッとした痛みのあとに肺が締め付けられるような強烈な痛みに襲われる

『うぁっ……』
口についているマスクをとろうとする手をしっかり掴まれる
そのままベッドに押し付けられ身動きがとれなくなる
だが痛みに勝てる訳もなく足だけでもジタバタさせる

『―――……』
叫びは部屋の外にまで聞こえたようだ
部屋の外からナノの鳴き声が聞こえた