【コラボ】学園という名の…②【歌い手】 (ページ11)

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予感～女主視点～ページ11

しまった――…

そう思った時にはもう遅くて、ろん先輩に見つめられてた
そしたら突然扉が開いて

「そうだよ！俺がやったよ！」
空君が入ってくるなりそう叫んだ

え、体調は…
というかどうしてそんな"嘘"をつくの？
ろん先輩、もっと空君のこと嫌いになっちゃったよ

尚も大きな声で自分がやったと主張する空君
姫歌ちゃんも目を見開いている

どうして…？
ああ、そうか
私がさっき言ったことが聞こえてたんだ

それでまた私をかばって…

また、やってしまった

頭がやっと追い付いたときには空君達はもう部屋から出ていて
慌てて後を追った

『空君！』
「柚子！？…と」
「黒川さん」

え…姫歌ちゃん…？
後ろにいたんだ…危ない、全く気が付かなかった

ビックリして振り返った私に姫歌ちゃんが微かに笑った…

そしてそのまま姫歌ちゃんと空君は何処かへ行ってしまう
お、追わないと…！

そう思って自分も行こうとするがらむ先輩に止められて
『ーっ先輩…！』
「君が行っても意味ないよ」
『でも…っ』

また止められてしまった
コッソリ行けばよかったものの…どうして私はいつもこうなのかな

「柚子…」
ナノくんか…

『ナ、ナノくんでもいいです！空君のところへ行ってください！』
「…どうして？」
冷静にナノくんが聞いてくる
でもその眼にはどこか余裕がない

『いいですから早く行ってください！嫌な…嫌な予感がして…』
「…っごめん、行ってくる！」
「あ、おい！ナノ！」

ナノくんを追おうとした先輩に今度こそ気付かれないように私も走り出す

…ごめんなんさい

…ほんとにごめんなさい

『やっぱり気になって…』

確かこっちに近道が―――――
先生に教えてもらった近道…迷ったときはここを使えばいいと教えられていた
きっと誰も知らない道

『な！？』

ナノくんよりも早く着いた私が見たのは―――

「かっ…」

「ふふっ」

あまりにも衝撃的すぎる光景
わかっていたはずなのに…こんなことが起こるかもって

姫歌ちゃん…笑ってる…？

止めないといけないのに足が動かなくて
あ、でもナノくんが来た

よかった
丁度頭がパンクしそうだったんだ…もうおかしくなりそう

…これで大丈夫

『…なにも…見て、ない…私はなにも見てないっ』

私はもう一度誰にも見つからないように部屋に戻った