黒ノ桃 II (ページ36)

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黒青ノ愛※ ページ36

田中side

今日は北斗が1日休みで家にいるから、北斗とちゃんと話し合おう、気持ちを伝えようって決めてた。
ソファで北斗に寄りかかるように座って、2人でテレビを見てるんだけど、緊張する。

「ねぇ、北斗、」
「何？」
「その、話したいことがあって」
「え、何、怖いんだけど」
「俺は北斗を幸せに出来てる？」
「へっ？」
「いや、その、北斗は俺を幸せにしてくれるのに、俺は何もできないから」

北斗がどう返してくるか分からないから怖い、つい俯いてしまうと顔を上げられる。

「俺は樹といるだけで幸せだよ」
「でも、」
「樹が思ってること聞かせて？全部受け止めるから」

北斗の優しさに少しだけホッとして、ちゃんと伝える覚悟をした。

「北斗が仕事から疲れて帰ってきても、ゆっくりする時間もなく俺の世話をしなきゃいけない、俺には出来ないことが多くて北斗ばっかり動いてる。
体調だってすぐ崩すし、気をつけないといけないことも多いし、何をするにも時間がかかる。
外へデートに行っても俺のせいで行けないところとかもあるし、目立っちゃう。北斗が障害者で男の俺と付き合ってるって、せっかくお仕事いっぱい貰ってるのに俺のせいで迷惑かけたくない。
時々不安になるんだ、北斗は俺といると負担になる、無理させてるかもしれない、俺といて幸せなのかなって。北斗を縛ってるんじゃないかって」