黒ノ桃 II (ページ2)

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京本side

最近仕事から帰ってくる蓮のスーツから女性の甘ったるい香水の匂いがする。
そりゃ、女性もいる会社だから仕方ないかもしれないけど、毎日同じ匂いがするから不安が募る。

「ただいま～」
「お帰り！(ギュッ)」
「ふふっ、今日大丈夫だった？」
「うん、今日は龍也が来て話してた」
「そっか」

帰ってきた蓮をお出迎えしてギュッと抱きつくのが好きなんだけど、今日もやっぱり女の人の香水の匂いがする、俺はこの匂い好きじゃないからちょっとムッとする。
スーツを着替えてる蓮のところへ行ってちょっと聞いてみることにした、会社に行ってるんだから女性とも会うだろうしこんなこといちいち言わない方がいいんだろうし、呆れられるかもしれないけど、どうしても気になったから。

「ねぇ、蓮さ最近女の人と仲いいの？」
「ん？何で？」
「えっと、その、女の人の香水の匂いがするから」
「まじで！？最悪だわ」
「ごめんね、仕方ないよね、会社には女性もいるし」
「あ、いやそうじゃない」
「え？」
「後でちゃんと話すから」
「分かった、」

女の人の香水の匂いって言うと明らかに嫌な顔をした蓮、後で話すと微笑んで言ってくれたけど、どうしよう怖いな。
蓮を信じてるけど、俺が会社のことまで口煩く言えないから、不安になる。