自分のことなのに全く理解できない ページ15
そんなこんなあって私はいつの間にかトムの親友になっていた
ぶっちゃけ後悔していない......
わけがなくない？！！
だってこれかえらも彼と友人でい続けたら
絶対にデスイーターに勧誘されるし
拒否ってもアバダケダブラされる未来は見えている
正直彼と関係を持ってしまった時点でアウトだったんだと思うけど
「何を考えているんだい？」
私が将来のことを考えて少し目が遠くに行っていしまっているのに気が付いたのだろう
心配そうに顔を覗き込んできた
A「ううん、なんでもないよ。寒いからテンション下がっちゃって」
「あぁ、Aは寒いの苦手だもんね」
納得したようにうなづいて笑う彼
くっ顔がいいからって全員が騙されると思うなよ！
こちとらお前が完璧猫かぶり魔だって知っているんだからな！
それでも親友になってしまったのは正直自分でも馬鹿だと思っている
でも彼も一人の人間で、生徒で、男の子だったのだと気づいてしまったら
もう私にはどうしようもなかった
友達に戻らないという選択肢などなかったし
なぜだか前の関係のままで満足できるのであろう彼が許せなかった
未来でとことん我儘と暴虐の限りを尽くしまくったあのヴォルデモート卿が
なんでこんなことで控えめになったりしているんだ
もっと欲張れよ
......なんで欲張ってほしがってるんだよ私！！！
自分が自分でわからない
A「私は私のことが一ミリだって理解できないよ」
「急にどうしたんだい？？？そんなに雪で遊べないのが残念？」
今は外は吹雪いているから寒がりの君がいったら遊ぶどころじゃないよ？
知ってるし私はそんな子供っぽいと思われてたの？
でも言い訳しないで済むからそれでいいや
「確かに残念かもしれないけど、代わりにいいものを見せてあげる」
A「いいもの？」
トムは目を細めて嬉しそうに笑った
「そう、いいもの。君なら気に入ってくれると思うんだ。僕の大切なもの。」
A「トムの？なぁに？それ」
「まだ内緒。夕食前に湖のところにある孤島があるだろう？ほら、僕たちが親友になった場所」
A「あそこに行けばいいのね。オーケー、わかったわ」
彼が学生時代に大切にしていたもの？？
いったいなんなのだろう
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作者名：林檎 | 作成日時：2022年7月20日 15時
