【ハリーポッター】魔法にかけられた少女は困惑する (ページ12)

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一人の人間２ページ12

望んでいたことなのになぜか胸はもやもやしたままで気持ち悪かった

あまりにも無視されるから自分から強引に話しかけようともした
最初のころの私ならば絶対しなかっただろう

それほど、私の中でトムは大きなものになっていた

A「ねぇ、私なんかした？最近全然話してくれないじゃん」
「......君は、何も悪くないんだ。ごめん」

その一言にカッとなった

A「ごめんじゃなくて、なんで話してくれないのか聞いてるの。ごまかさないでよ」

「君に何がわかる！！！」

初めて彼に大声で怒鳴られた

ビックリして、なんで怒ってるのか意味が分からなくてイラついて

彼のことをわかっていたような気になっていた私は、実際には何にもわかっていないんだって
わかってしまって、悲しくなってしまった

気が付けば涙が出ていた

生まれ変わってから感情や発言の制御がうまくいかない
まだ体が子供だからだろうか

泣いてしまった私に驚いたのだろう

「……なぜ君が泣くんだ、泣きたいのはこっちだ」
A「わかるはず、ないじゃない。何も、トムは私に相談してくれないじゃない！言ってくれないじゃない……。」

わかる、はずなんかないじゃない......

そう呟く

A「寮だって違うし、あんまり話せないのに、わかるはずないじゃない。いってよ、相談してよ…。友達なんでしょ」」

何かができるなんて思っていない

それでも何かしら力になりたい
そう思うことの何が悪いのだろうか

ぐすぐす泣いていると

彼は凄く苦しそうな顔をしながら言うのだ
「…。僕は、友達なんて、いない」

そういわれて胸がきしんだ

背中を翻して去って行ってしまう

A「まって…。なんで、なんでよトム」

悲しくて、苦しくて、その場で泣き続けることしかできなかった

気づけば自室にいて、マートルが心配そうにこっちを見てきた

「あんた、どうしたの？ブスになってるわよ。……あのトム・リドルとかいうやつ？」
A「......なんで、わかったの？」
「あんたはあたしの親友よ。見てたらわかるっての。喧嘩したの？」

A「わかんない、わかんないよ。トムは最近よく怪我しているの。服で隠してるけど、たまにお腹を押さえていたそうにしているもの。わかるわ」

顔を布団にうずめて涙をごまかす

A「それに…友達なんていないって言われちゃった！！！」

泣き叫ぶようにマートルにそう訴える

八つ当たりだった