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｢あの、怒ってる？｣
｢怒ってはない。ただ、連絡はしてほしかった｣
｢ごめん…！迷ってたら、あっという間に今日になっちゃってて｣
｢選手の似顔絵を描いてもらって、それをグッズに使用するみたいな話は、少し前に聞いてたけど、まさかそれ？｣
｢はい、まさにそれです…｣
｢…はー、まじか｣
溜息を吐いて、顔を伏せた誠知くん。その姿を見て、ものすごく後悔をした。うわあ、やっぱりこの仕事断るべきだった。誠知くんに連絡も入れず、目先の利益だけで決めてしまった私が馬鹿だった。
誠知くんがゆっくり顔を上げた。少し困ったような表情は、私の気持ちをさらに揺らして。何を言って良いか分からず、その瞳を真っ直ぐ見つめ返す。
｢本当に怒ってはないっすよ。ただ、｣
｢うん｣
｢…俺以外の選手とも会うんすよね？｣
｢え？うん。確か選抜された選手に会って、描かせてもらえることになってて｣
｢…葵とふたりきりになるってこと？｣
｢そ、そうだと思う。…え？｣
｢……｣
｢……｣
｢……なんすか｣
｢え、あ、…その｣
｢気に食わないって、顔に出てます？｣
｢……っ｣
思わず、誠知くんの顔を見上げてしまう。あ、少し頬が赤い。でもそんな、まさか。
｢どうして、そんな顔をするの…？｣
｢…聞きます？それ｣
｢だ、だって。気になるから｣
｢…葵さんのこと、他の選手が気に入ったらどうすんの？｣
そういう心配をしてます、そう小さな声で呟いた誠知くん。今度は耳まで赤く染まってしまって、伝染したように私まで恥ずかしくなってしまう。
どうしよう…！今、すごく誠知くんのこと、かわいいなって思ってしまいました…！
胸がきゅんとして、久しぶりにされた女の子扱いに落ち着かなくなった。どうしたら良いか分からず、口先だけが動いてしまう。
｢そんなことある訳ないよ！仕事な訳だし、｣
｢そうだけど、所詮こっちは男なんで。かわいいひとや綺麗なひとは、選手間で話題になります｣
｢私は当てはまらないから大丈夫だよ｣
｢……無自覚｣
｢え？｣
｢…もう知らん｣
怒ったような口振りに、慌ててしまって。誠知くん、と声を出せば、いつの間にか近くにいた切れ長の瞳。驚いて、顔を背けようとしたけれど、頬を包まれて逃げられなかった。
そのまま、塞がる唇。
｢ん……っ｣
まるで自分のモノだと刻むようなキスから、誠知くんの熱や想いが伝わって、胸が苦しくなった。
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aoi(プロフ) - みゆうさん» こちらこそです＊楽しみにしています。 (2019年3月5日 1時) (
レス) id: 1e8b3648c1 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさん» 見てきただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年3月4日 22時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みゆうさん» とてもありがたいお言葉ありがとうございます…！意識している部分でもあったので、嬉しいです＊そして実は私、みゆうさんのおはなし拝見させてもらってます。私こそ更新楽しみにしています＊ (2019年3月1日 0時) (レス) id: ddb827d49e (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさんの書く小説、主人公の見ている景色や生活の雰囲気だったり、想像力が膨らんで、心がほっこりする言葉の使い方が凄く好きです。更新楽しみにしています！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi | 作成日時：2019年2月28日 23時
