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開幕まで、あと少し。こんな大切なときに、訪れてしまったヤフオクドーム。お邪魔してしまっても良いのだろうか、そんなことを思いながら、大半を占めていたのは、誠知くんはどんな反応をするだろうという心配だった。
結城さんは相変わらずかわいらしい笑顔で、不安そうな私に気を遣いながら、慣れた足取りで球場内を案内してくれた。と言っても、関係者が出入りするフロアが中心で、選手の姿は見当たらない。ロッカールームや練習場所は、また違うフロアなのだろうか。本当に大きな、立派な球場だ。
｢葵さんは試合観戦をされたことありますか？｣
｢あ、はい。つい最近、知り合いに誘ってもらって…とても楽しかったです｣
｢そうなんですね！私も野球がだいすきで…この仕事に就けたのは奇跡だと思ってます｣
彼女が履いているヒールが、小さく音を立てた。フロアを案内しながら、そう話をした結城さんの表情から、純粋に野球がすきなことが伝わる。野球の話になると、目が輝くのだ。私の絵をすきだと言ってくれた目とは、少し違う。情熱を足した、戦う瞳。
かわいくて、一生懸命で、これはきっと選手のみなさんからも人気が高いだろうな。好感が持てるし、なんだか、微笑ましくなる。
｢あ、こちらのフロアからは選手がお見えになると思います。あまり、緊張なさらずに｣
明らかにフロアが変わるような扉前。結城さんに優しい笑顔を見せられて、どきっとしてしまう。もちろん彼女の笑顔にもだが、ああ、ついに来てしまったと思った。
そんな矢先、彼女の綺麗な手が扉を開けようとした瞬間、ひと足早く反対側から扉が開いた。
｢わ！びっくりした…！タイミング良すぎだよ、｣
ーーー ¨ 誠知くん ¨
女の子らしい彼女の声が、はっきりと、そう発した。体がびくっと動いてしまって、目の前に現れた彼が見れない。
｢葵さん、上林誠知選手です。この間、お話した、期待の若鷹です｣
…はい、存じております……！
嫌な汗が背中を伝う。必死に俯いていたけれど、もう名前まで呼ばれてしまえば、誠知くんにだってバレてしまっただろう。恐る恐る顔を上げれば、それは見たこともないくらい、切れ長の瞳を見開いた彼が立っていた。言葉も出ないのか、完璧にフリーズしてしまっている。
｢ど、どうも…｣
｢…はい、どうも｣
まるでロボットが話しているかのようなふたりを、結城さんは怪訝そうに見つめていた。
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aoi(プロフ) - みゆうさん» こちらこそです＊楽しみにしています。 (2019年3月5日 1時) (
レス) id: 1e8b3648c1 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさん» 見てきただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年3月4日 22時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みゆうさん» とてもありがたいお言葉ありがとうございます…！意識している部分でもあったので、嬉しいです＊そして実は私、みゆうさんのおはなし拝見させてもらってます。私こそ更新楽しみにしています＊ (2019年3月1日 0時) (レス) id: ddb827d49e (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさんの書く小説、主人公の見ている景色や生活の雰囲気だったり、想像力が膨らんで、心がほっこりする言葉の使い方が凄く好きです。更新楽しみにしています！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi | 作成日時：2019年2月28日 23時
