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「私、葵さんの絵に一目惚れしてしまって。以前、個展にも遊びに行かせて頂いたんです。個展で購入した作品を、上の者に見せたら、上司もすごく気に入ってくれて。ぜひ、何かお仕事を頼めないか、ということになりまして」
「え、」
「選手の似顔絵を描いていただけませんか?葵さんらしいタッチで、優しく仕上げてもらいたいんです。もちろん全員ではなくて、一軍選手数名なのですが…その作品をグッズに使用させて頂きたいのです」
「私の、絵をですか?」
「はい。引き受けて頂けないでしょうか?もし、引き受けて頂けるのでしたら、これからの話も詰めていかなくてはなので、忙しくなると思います。葵さんの予定の邪魔にならないよう、最大限配慮はさせて頂きたいと思っています」
「も、もちろんです!とても光栄です……!」
認めてもらえたみたいで、とても嬉しかった。さらに仕事としては、ビッグチャンスなのではないか。グッズにしていただけるなんて、まさかまさかの依頼過ぎて、なんだか漠然としてしまう。
「引き受けて頂けるんですか?わ、嬉しい!私、葵さんが描かれてる表紙や、ジャケット、たくさん持っているんです。個展で見かけたとき、すごくお洒落でセンスの良いひとだなあって、憧れてしまって…!さらに仕事でご一緒できるなんて…」
「いやいや、そんな。こちらこそ、私を見つけて頂いてありがとうございます…!」
「ぜひ、よろしくお願いしますね」
にこりと笑った彼女の笑顔に、つい釣られてしまう。今日は承諾をもらいたくて来たらしい彼女に、カフェオレと焼き菓子を出すと、遠慮しながらも嬉しそうに微笑んでくれた。うん、これは、私が男のひとだったらひとたまりもないな。
お茶をしながら、少しずつ進んだ仕事話。実際に選手と会って、絵を描く手筈になっていること。その時間は、会話をしても良し、静かに黙々と描いても良しで、私の描きやすいようにしてもらって良いとのこと。人気の高い選手数名で、選抜済だということ。完成した似顔絵を見てから、使用方法を検討していくこと。
もう少し、話を聞いていたけれど、描かせてもらえることが嬉しくて。浮かれ気分で、耳から抜けてしまった。
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aoi(プロフ) - みゆうさん» こちらこそです*楽しみにしています。 (2019年3月5日 1時) (レス) id: 1e8b3648c1 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさん» 見てきただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2019年3月4日 22時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みゆうさん» とてもありがたいお言葉ありがとうございます…!意識している部分でもあったので、嬉しいです*そして実は私、みゆうさんのおはなし拝見させてもらってます。私こそ更新楽しみにしています* (2019年3月1日 0時) (レス) id: ddb827d49e (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさんの書く小説、主人公の見ている景色や生活の雰囲気だったり、想像力が膨らんで、心がほっこりする言葉の使い方が凄く好きです。更新楽しみにしています! (2019年3月1日 0時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aoi | 作成日時:2019年2月28日 23時