恋の炎色反応〈QK〉

白をピンクで __ kwmr ページ12

今年は早くに桜が咲き始め、もうすっかり春。

なんて思っていたのに、今日は花冷えなんてもんじゃない寒さで目を覚ました。

慌てて暖房の温度を上げカーテンを開けると一面の雪。

季節感を狂わせる、というか今季1番の雪ではないだろうか、

家から見える公園の桜の木も雪で重そうに項垂れ、雪の上は散ってしまったのか、花びらでピンク色に染まっていた。

そろそろ部屋が暖まったところでAさんを起こす。

別にすぐに起こしてもいいのだが、朝が弱い上に寒いのが苦手な彼女はどうせ寒いと言って起きてこないのだ。


「Aさん、起きてください、」

「んぅー、むりです。」


そんなことを言って一向に起きる様子がない彼女。


「おーきーてーくーだーさーいー」

「さむいですぅー、」


そう言ったAさんはまた暖かい布団に埋もれる。

仕方ない。

こうなったら強制的に。


「A、」


そう不意に呼び捨てをし、驚いてこちらに向いた唇にキスをする。


「これでも起きませんか？眠り姫。」


そういうと顔を真っ赤にして起きたAさん。


「おはようございます。」

「おはようございます。」


やっとはっきりと目が覚めたようで、にっこりと恥ずかしそうに微笑んだAさん。

白い肌を恥ずかしさからかピンク色に染めていた。

その愛おしい姿はまるで、雪の上をピンクに染めた桜のよう。

どちらもとてもとても美しく私の目に焼き付いた。


「今日は寒いので、くっついて過ごしましょうか。」


なんて口実ができてしまう今日の雪はきっと誰かからのプレゼントだ。

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