ナナイロノオト

いとこのお兄ちゃん ページ13

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智洋くん 高校1年生

照史くん 従兄弟のお兄ちゃん




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智洋 side



｢ おかえり〜。
とも、おもち食べる？？ ｣


学校から家に帰ってきて早々、そんな事を聞かれる。




智洋 ｢ お餅？笑 ｣


｢ 2つだけ余っとってねぇ。

取り合いなるでしょ？
今やったら、ともだけしか居らんから。 ｣



智洋 ｢ あぁ、うん。食べる食べる。

甘いやつにしてや〜？ ｣


｢ もちろんっ ｣



そう言って、キッチンに立つ母。


｢ ともくん男の子やけど、
甘いのとかも一緒に食べてくれるから嬉しいなぁ〜 ｣

とか1人で言うて。


俺が手洗いとか済ませてすぐに
甘くしたおもちと、お茶が出された。



俺の前ではともって呼ぶけど、
こういう時はともくんって呼ぶ。

知ってんねんけど、優しい配慮。



てか、速攻で出てきたから、
俺が食べると思って作ってたやんな…

完全に読まれとる…笑



高校生になるとテスト前が早かったりして、
兄弟がおらん時に帰ってくることもしばしば。

テスト期間やし勉強せんとやねんけど…


こうやって一息つけるんも、たまには嬉しい。


兄弟多いと賑やかやし、
こんな2つだけのやつとか俺には当たらんから特別、笑




｢ もう…
せっかくの、ともとお茶タイムやのに！

先食べとってね〜 ｣


インターホンが鳴り、
少しの文句と共に母さんは出ていく。



幸か不幸か…

母さんが出ていってから餅を食べた時。




智洋 ｢ あっちゃあ… ｣



歯に詰めてた銀歯が
お餅に引っ付いたんか取れてもーた。


考えてるとドアのしまった音がして、

その時、なんかわからんけど…。



…ポケットの中に銀歯を直した。





｢ とも？ ｣


智洋 ｢ ん？ ｣



｢ ぼーっとしてどうしたの？ ｣


智洋 ｢ あぁ、待ってた、笑 ｣



そう言うと、


｢ 食べてて言うたのに〜 ｣

と言いつつ、嬉しそうに笑った。



まぁ…結果オーライ。



それからテストがあって。

不便やとは思いつつも…
痛くなかったしそのまま過ごした。




だって、


お餅で取れた…



なんて、

少し恥ずかしかったから…




テスト終わったりしてから言おうと思って。





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