好きだなんて言うわけない _Ren.N_

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今日は母が休みの日だからか



いつもより静かな朝




リビングから聞こえてくる楽しそうな声




誰かいる？







『まじっすか？』




母「そうなのよ〜」







げ… な、永瀬廉 …



なぜそこにいる








『やっと起きたん？おはよ。A』








な、永瀬が私に優しい？！







「あ、うん、おはよ、永瀬」




『ほんならお母さん、お邪魔しました。またゆっくり来るんで。紅茶ご馳走様でした』




母「いーえー。またいつでもいらして〜」









今日の永瀬はらしくないぞ？




今だけか？




お母さんの前だから？







『行こ？』





「あ、うん」









思わぬ優しい笑顔に差し出された手を




自ら繋いでしまった




何してんだ私。








『お母さんええ人やな』





「そうかな？」









外面が良いだけなんだけどなー




なんて






『紫耀まだ来とらんやん、あいつ何しとん』








そういえば、確かに朝は一緒に登校してる




はずの平野くんの姿が無い






『しゃーないなぁ、あいつ。昨日めちゃめちゃ遅くまで起きとったし…』





「そうだったの？」






『ちょっと俺あいつ起こしに行って来る。先行っててええよ』








私の返答を待たずに走り去って行った




永瀬





やっぱり今日のあいつ… 変？




いつもなら付いて来いとか言いそうなのに







由宇「A〜！」








校門ではいつものごとく由宇がお出迎え








由宇「あれ？今日しょうれんは？」




「あー…なんか平野くんが寝坊みたいで永瀬起こしに行った」





由宇「うーわ、永瀬くん優しい〜、寝坊とか平野くん可愛い〜」







完全にしょうれん信者な由宇




目がハートになってる




この子のなかで永瀬はどんな男として




映ってるのだろうか








由宇「そういえばA、聞いた？平野くん好きな人出来たんだって！」






「いや、聞いてないけど」






由宇「平野くんの彼女に選ばれますよーに！」









どんなお願いごとをしてるんだか



隣の教室に向かって祈る




由宇に呆れるばかり






平野くん彼女欲しいって言ってたもんなー…

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