君の背中 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:11,628 hit

５話ページ7

*

スタジアムを後にした私は車に乗り込み一息つくとそのままハンドルにもたれかかった

『やっぱり見にこないほうがよかったかな』

スポーツには常に勝ち負けが存在するし

このチームに勝ちしか許されないことは理解をしているがやはり何度聞いてもブーイングは嫌いだ

結果はどうであれ選手達が頑張りぬいた９０分を否定しているのだから

サポーターも勝利を望んでいるからこその光景ではあるんだろうけどどうも好きになれそうにない

勝負事が苦手な私にとってこのスタジアムもサッカーもきっとこれから先好きになる日は訪れないのだろうと今日改めて実感した気がする

でもあの３０番の選手のことだけはどうしても気になった

必死でピッチを駆け抜ける姿

同年代ながらに夢の中でもがく彼のことが頭から離れなかった

そしてふとあの時の自分を見ているようにも感じていた