23話 ページ25
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あれから裕葵くんとは連絡が途切れることなく続いている
今日の練習はどうだったとか
試合の勝った負けた
そんな彼の日常と
今日はどんな講義を受けたとか
バイトの話
そんな私の日常を
少しづつ報告しあう毎日
何もなかった生活に少しだけ色がついた気がした
「どうしたの。最近、なんか楽しそうじゃない?やけに携帯気にしてるし。」
講義の前にそう言いながら隣に座るのは大学に入ってできた唯一の友達である高橋燈佳(タカハシトウカ)
入学式の日席が隣で同じ学部の同じゼミ
たまたまがいくつも重なったことにより私と燈佳が仲良くなるのに時間はかからなかった
そこから1年私の隣には彼女がいる
『別に普通だよ。』
目線を携帯に落としたまま答えると納得いかない様子
燈「絶対嘘!だってここ最近のAなんか楽しそうなんだもん!!なにオトコ!?」
隣で騒いでいるのを無視して裕葵くんに返事をしていると
燈「ねえ、あべ…ゆうき…?って誰?」
と声が降ってくる
『ひろきね。お兄ちゃんの後輩。』
顔を上げてそう答えるとなにやらニヤニヤする燈佳
『なに?顔気持ち悪いよ。』
ふーんそっかそっかと独り言を言いながらニヤニヤしている彼女を冷めた目で見ていると再び通知が鳴った
安部裕葵あの突然なんですけど、練習見にきませんか?
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作者名:あや | 作成日時:2019年5月2日 21時