君の背中 (ページ21)

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１９話ページ21

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ご飯も終わりお店を出る

裕「優磨くんごちそうさまでした。」

当然のごとく兄の奢りだと思っていた私は裕葵くんの真面目さに少し驚いた

優「お前もなんか言え！(笑)」

感心していると後ろから頭を叩かれる

『っ、いったいなあもう！』

わざわざ叩く必要絶対ない

…てかこの前より扱い雑になってない！？

『暴力兄貴。』

ボソッと出た言葉は幸い兄に届くことなく消えた

車に乗り込みしばらく無言が続く車中

私の家の前に到着し何事もなく車を降りようとした

『裕葵くん運転ありがとう。鹿嶋まで大変だけどよろしくね。』

優「おい。」

だが兄に呼び止められる

『…なに。』

優「夏一回くらい実家顔出せよ。」

『…わかってる。じゃあね。』

今度こそドアを閉めた時

裕「Aさん、また。今度は鹿嶋で待ってます。」

裕葵くんの言葉が聞こえた気がした

バタンと音を立てて閉まるドア

聞き間違いかもしれないけど聞こえた“待ってる”に少しだけ胸があったかくなった気がした

『また、か。会えるといいな。』

遠くなる車を見送りながら数時間前とはちょっと違う心境に驚きつつも家に入りまた明日からの意味のない日々に向かって準備をした