17話 ページ19
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『あ、あの顔上げてください。私そんなお礼を言われるようなこと…してないです。…安部選手の頑張り、私だけじゃなくて…もっと、たくさんの人に伝わってると思います。』
こんなことを言われると思わなくて考えながら言葉を紡いだ
裕「ありがとうございます。僕何も知らないですけど、余計なお世話かもしれないですけど、よかったら試合観に来てください。待ってます。」
こんなに真っ直ぐな瞳をする彼を私はすごく羨ましいと思った
あの雰囲気は苦手だけど誰よりも一生懸命な彼の後ろ姿を見たいと思っていることも事実だ
『…わかりました、時間が合えばになっちゃいますけど…。安部選手のこと応援しに行きます。』
裕「はい、待ってます。あと裕葵、でいいです。敬語も使わないでください。」
『あ、わかりまし…わかった。ひ、裕葵くんも敬語気にしないで?』
裕「わかりました。」
…そして若干微妙な空気が流れる
優「あのさ、俺のこと忘れ過ぎじゃね?」
そんな空気の中声を発したのは兄だった
『あ、ごめん。』
優「お前らなあ…。はあ、ちょっとトイレ。」
兄がトイレに立つと部屋は再び静寂に包まれた
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作者名:あや | 作成日時:2019年5月2日 21時