風柱と共に

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夜、担当区域を巡回していると鬼の気配を感じた

鬼は俺が全て殺す

早めていた足を更に早めて気配がする方に向かって走った

気配がする家の前には大人の男の人が血まみれになって倒れていた

家の中には誰かの叫び声と鬼の唸り声が聞こえる

1人の少女が鬼に襲われそうになっていた

母親が鬼になったのか…？

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鬼を倒したあと少女は涙を流し動かなかった

現実を受け入れたくないんだろう

母親が鬼になり家族を殺していったのは俺の過去と重なりいつもは鬼を倒してから隠に任せているがなんだかほっとけなくなりしばらく落ち着くまで、現実を受け入れる事ができるまで一緒にいた

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どれくらいこうしていたのだろうか

『ヒグッ…ウッ…』

現実を受け入れたのか少女の泣き声が隣で聞こえてきた

俺は背中を撫で落ち着かせる事しかできなかった

　

普段はこんなに人に、ましてや女に接する事がなく、なぜこのような行動を取っているのか自分でも分からなく驚いたが自分にもあった境遇を少女に重ねているのだと思った

『あり…ありがとうございます…』

やっと話し始めた少女

外は夜も明け朝になっていた

「あぁ…」

少女は吉沢Aだと言った

俺も自分の名前を名乗り、2人でAの家族を家の庭に埋め埋葬した

家の前に倒れていた人はAの父親だったようで変わり果てた姿にポロポロ涙を流しながら埋葬していた