＊６６３＊ ページ18
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どこまでも温度のない言い方で、
斎藤さんが、驚くような事実を…淡々と述べる。
相手を追い詰める、容赦のない氷のようなその目に
完全に呑まれてしまっている吉田さんの、たじろぐその姿に
かつての自分が重なって…
あの時の、不安や焦燥感
目の前に突きつけられた選択肢に恐怖しかなくて
結局、被害者ぶって選んだ逃げ道は
その後もずっと私たちを苦しませ続け、…ふたりの足枷となってしまったの
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その間、誰ひとり身じろぎひとつせずに
完璧なまでの沈黙が、この部屋を支配する。
やがて、その沈黙を破った吉田さんは
天井を見上げながら、ふぅ…っと大きな息を吐き出して
まるで“降参”といったように…、頭を振りながら肩をすくめて…
そしてそのまま踵を返し、リビングルームへ上着を取りに行くと
それを羽織って何も言わずにドアノブに手をかけ、
ここから、立ち去ろうとするから＿＿＿＿
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「…・・待っ、て…・・」
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カラカラに乾いた喉で絞り出した声は
きちんと声になっていなかったかも知れないけど、
いまだ床に座り込んだままの、
私の視界に入った吉田さんの足は、ぴたりと止まってくれたから…
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「…・・こんな、……哀しいこと
もう二度と、…しないで」
吉「……」
「…もう、それ以上
自分を、傷つけないで……」
吉「……」
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そろそろと…、視線を上げる。
私がどんなに言葉を零しても
真っ直ぐに目の前のドアを見つめる吉田さんは、
その双眸を、こちらに向けてはくれなかったけど…
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「……あなたは、…───哀しい目をしてる」
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誰かを心から愛したいと
誰かに心から愛されたいと
吐き出したその言葉とは裏腹に、
そう聴こえた吉田さんの声が、…本当の、あなたの姿だと思うの
ほんの一瞬だけ、私に見せた、
哀しみが宿ったあの目に既視感を覚えたのは
その目を…、誰よりも私が、よく知っているから
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いつか私に話してくれた、施設育ちだという友人の話
それはもしかして、……あなた自身のことで
だから、あなたは
私がよく知っている、哀しいその
まるで縋るように
…私を、見つめたんじゃないのかな…
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まよ(プロフ) - ハルキさんご無沙汰です！久しぶりに開いて読みました！智くんとの再会後、いちゃこらみたい笑リアル智くんも元気かなぁ。ＧＷゆっくりしつつ楽しんでくださいね！ (5月3日 22時) (
レス) @page47 id: 2bb9158d15 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - ハルキさん更新ありがとうございます。智君に会えて嬉しいです。久しぶりにドキドキしてきゅんきゅんしてます。ハルキさんありがとう(^^)v (2022年9月29日 13時) (レス) @page47 id: 70f41ecff1 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 楽しみにお待ちしておりました(>_<)胸がぎゅーっと苦しくて…会えてよかったぁ！！！激重のイチャコラ楽しみにお待ちしてます！！ (2022年9月29日 6時) (レス) @page47 id: 6ed58a0011 (このIDを非表示/違反報告)
mikitiy(プロフ) - ハルキさん更新ありがとうございます。やっと、智くんにあえて。この時を待っていたっ。嬉しいです。続きがとても気になる〜。葛藤も色々な想いも乗り越えて幸せになってほしい。ドキドキしながら読みました。更新を待ってます。 (2022年9月28日 22時) (レス) id: 0a92ac1d6f (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - →待ち続けておりますので、これからも楽しみにしてます！ (2022年9月28日 19時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2019年9月25日 1時
