＊４９１＊ side chika ページ39
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どうして突然、先生がそんなことを言い出すのかわからなくて
しばらく会わない間に、先生の身に何があったのかわからなくて
もう悲しみすら映さなくなってしまった、先生の
何だか、言いようのない焦りを覚えて…
カラカラになった喉を、ごくりと飲み下して
先生と私の手は、絶対に離れたりしないよ…って
繋いだ手に力を込めて、先生の次の言葉を待った。
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「…‥一度、…繋いだ手を、離してしまったら、」
千「……」
「…・・もう、…二度と、……元には戻らないんだよ」
千「……」
「……戻らない、…」
千「……」
「…・・戻れないんだよ、千花…」
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私に対して、というよりは
自分自身に言い聞かせるように、言葉を紡ぐ先生は
何かを想い重ねるように
繋がったふたりの手を、じ…っと見つめる。
先生がそこに思い浮かべているのは
世界中でたったひとりの、あの綺麗な手しかなくて
きっとその手は、頼りない私の手なんかより
ずっと優しくて、ずっと力強くて
ずっとずっと…、先生を守ってくれた、大きな手
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そこに、ぽとん…と弾けた、大粒の涙に
はっとして顔を上げると
何の音もなく、涙を零し落とす先生は
泣き喚いて、嗚咽を上げるわけでもなく
悲しみに顔を歪めるわけでもなく
ただそこにいて、静かに涙を流すだけだった。
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「…・・私は…、幸せなんて、いらない、…なんて、」
千「……」
「…‥智が笑っていてくれたら、それでいい、なんて…、」
千「……」
「…‥そんなの、…嘘、だったよ。千花…」
千「……」
「…ただの強がりで、…綺麗事で、」
千「……」
「……虚勢を張って、…自分を保っていただけだった」
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そう言って、自分自身を苛む先生だけど
誰がどうしたら、そんな先生を責められるだろう…？
悪いことなんて何もしていないのに
ただ幸せになりたいって思っただけなのに
大切な人と、無理やり引き離されて
忘れられない、その人への行き場のない想いと
色褪せることのない、ふたりの思い出だけは
誰にも取り上げられたくない…って、その細い腕で必死に守っていた先生は
そうやって無理やりにでも自分を納得させていないと
…きっとあのまま、壊れてしまったんだと思う
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ハルキ(プロフ) - ともさん» ともさん、初めまして(*´ω｀)♪この長いお話をはじめから読んでいただいたようで、ありがとうございます。長い上に暗いっていう…、何だかもう救いようがなくてスミマセン。次章からは少し違った展開が期待できると思うので、どうぞ最後までお付き合い下さい。 (2016年7月17日 0時) (
レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ハルキさん♪はじめまして。ともと申します。イッキに拝見させて頂きました(^o^;)ドラマを観ているようでドキドキはらはら…涙流しながら(>_<)二人の健気さに微笑ましく思ったり時にはイライラしたり…更新を楽しみに待ってます。 (2016年7月14日 8時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - 咲優さん» 咲優さん、いつもありがとうございます(*´ω｀)♪もうみなさんからのコメントもめっきり減るくらい、先の見えない暗〜い展開ですが(笑)、次章では少し光もみえてくる…かな？若いのに、千花ちゃんと裕太くんの方がよっぽどしっかりしてると思っているハルキでした(笑) (2016年7月9日 3時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
咲優(プロフ) - ハルキしゃん♪おひさしぶりーふ(笑)いや、そこ迷うとこチガウ！千花ちゃんはよ連絡してー！って叫んでもうた(笑)このお話ももう移行なのね(*´ω｀*)楽しみに待ってますね♪ (2016年7月8日 8時) (レス) id: 4728198315 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - 咲優さん» 咲優さん、先程アイスのコメントにレスさせていただきました！レスが遅くなり申し訳ないです(>_<) 本当にこちらのふたり、ここからどうやってハッピーエンドになっていくんでしょう…←お前がな 涙チョロリな展開ばかりですが、どうぞ信じて待っていてください！ (2016年6月19日 10時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2015年12月13日 0時
