せーんぱっ！？2

ブーゲンビリア ページ45

萩｢A！これあげる！｣

そう言って差し出されたのは可愛らしい花束。
差し出した本人はニコニコといつもと変わらぬ笑顔を浮かべている。

｢ブーゲンビリアだ…かわいい｣

萩｢やっぱり知ってた！Aこういうの詳しそうだもんね｣

｢詳しくはないよ、人並み｣

萩｢いや俺名前すら分かんなかったし｣

色々と調べてこれに辿り着いたよ、と笑った彼は心なしか少し顔が赤いように感じた。
どういう風の吹き回しでブーゲンビリアを、しかもこんなにも色とりどりにして花束に。
そう思ったけれどその答えは聞かなくてもくれそうなので黙っておく。
白、黄色、ピンク、紫、赤。
散らばってごちゃ混ぜになっているけれどどれも綺麗だ。

｢綺麗、可愛い、ありがとう｣

萩｢どーいたしまして！｣

ニカッと笑う彼につられて笑う。
彼から次の言葉は出てこない。
どうしたの、とも、なんでこれを？とも
言えぬ空気を漂わせているのは彼なのに
当の本人は嬉しそうに笑ったまま何も言わない。
なにも聞けない空気にされている以上、
話の流れもタイミングも彼のものにされている以上、私も何も言えない。
そうしてどれほど経ったか、ようやく彼が話し出す。

萩｢ブーゲンビリアの、花言葉知ってる？｣

知っているわけがない、と素直に思う。
そんなのを頭に入れているのは相当な花好きか
花屋さんくらいだろうに。

｢んー、分からないや｣

研二は知ってるの？と返せば、ふふん、と
自慢げに笑って調べたって言ったでしょ？と
返される。そうだった、と返して黙る。
そうして紡がれる彼の言葉を待っていたけれど一向に次は出てこない。またか。

萩｢あのね、｣

意を決した様な表情で、今まで見た事ないような真剣な顔でそういう彼にこちらまで緊張が走る。







萩｢花言葉は、あなたしか見えない、あなたは魅力で満ちている、なんだ。｣

Bougainvillea→←ふたつでひとつ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す