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その後、一瞬の遅れでまた2発鳴り響いた
発砲音は全て私だ。
犯人ふたりの手のひらへ命中したそれは
拳銃をはじき飛ばした。
それに続いたように2発、これは誰かは知らないが犯人たちの腹部に命中。
致命傷ではないが動けるような軽いものでもない。
そこから先は早かった。情報通であれば
中に残っているのは1人だけ。
拳銃は2丁のみ。強行突破で構わなかったのだ。
機動隊が中へと突入するのをただ見ていた。
本当は今すぐにだって母や父に駆け寄りたい
けれどそれを警部補という縛りが許さない。
それから10分も立たず犯人逮捕。
その瞬間を見送ってようやく母と父に駆け寄った。
まだわずかに温かさを残した二人の手を取り
泣いた。
誰に見られても構わないと大声で泣いた。
こめかみを撃ち抜かれた2人は即死だった。

「やだああああああああああ!!お母さん!!!
お父さん!!!いやああああああああ!!!」

目の前から防護服を脱ぎ捨てた陣平さんに
抱きしめられてその肩越しに見た人間の顔は
みなどれも唖然として絶望したような顔だった。
陣平さんの抱きしめる力が痛い。
ごめんなと謝る声が心に突き刺さる。
陣平さんが悪いわけじゃないと否定したいのに
上手く言葉にならない。
ただふたりと手を繋いで陣平さんに抱きしめられて泣くことしか出来ない。

「おがあ゛ざん!!おど、ゔさん!!!」

最後に私が見たのはつらそうにゆがめた顔で
今にも泣き出しそうな顔で私の頬を撫で
抱きしめてくれた陣平さんの顔だった。

だれ。→←娘で警察で警部補で。



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Hrry(プロフ) - ほのかさん» 幸せにします!絶対!ありがとうございます!! (2019年10月19日 19時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - 夢主さん、頑張って!胸がギュってなるぅ・・・。凄く切なくなるけど、幸せなラストを待ってます!Hrryさん、頑張ってください! (2019年10月16日 22時) (レス) id: 949a14dbde (このIDを非表示/違反報告)
Hrry(プロフ) - 頑張ります!!今から分岐に向けてラストスパートです!!! (2019年10月16日 17時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 続編来ましたね!!Hrryさんの小説、大好きです!此れからも楽しみにしてます!無理しない程度で頑張って下さいね♪v(*'-^*)^☆ (2019年10月13日 21時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hrry | 作成日時:2019年10月13日 15時

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