70*身を焦がす ページ21
自販機で買ったお茶を渡せば｢ありがとうございます｣って笑ってくれる。
彼女にしたい、抱きたいなんて不埒な感情が過ぎった。
｢音駒、強いですね。
レシーブが皆上手で、どこに攻めても取られちゃう｣
｢ありがとう。
今回宮城に遠征に来る事が出来てよかったよ。友達も出来たし、Aちゃんにも会えた。｣
じーっと顔を見れば、気まずそうに視線を反らされてしまう。
伏せた顔すら可愛いって末期だろ、俺。
｢一目惚れって言ったし、彼氏いるって聞いたけど、俺は普通に友達としても仲良くしたいな。
あわよくば今は2番目の男ポジションに居たいかな。｣
猫被ってる自覚はある。食えない奴、胡散臭いなんていつも言われ慣れている。
｢2番目って…
私、頭の中は彼氏の事しか考えて無いです。
連絡先聞かれた時も東京の情報欲しいなってしか思わなくて。」
｢正直だな、そういう子嫌いじゃないよ。
それに、それでも連絡来たら俺は嬉しいって思う。｣
小さなため息が聞こえた。
Aちゃん的には断りたい状況だろう。彼氏いるってわざわざ言うくらいだ。
グイグイ言っても嫌われそうだし、ただでさえ遠距離。
どうすれば断られないか、縁を切られないか。
｢彼氏が羨ましいよ。
折角会えたのも何かの縁だし、友達としても
仲良くなれたら嬉しい。｣
笑って手を差し出せば、戸惑ったのは一瞬で俺の手に自分の手を重ねている。
素直な子なんだろう。悪く言えば愚直。遠距離なんだし、キープとして扱ってくれればいいのに。
…顔はもちろんだけど話してると余計好きになっちまう
｢友達は嬉しいです。
…また練習試合とか出来るといいですね。｣
晴れやかな顔してAちゃんは帰って行った。
その流れで俺達もバスに乗り、仙台駅から新幹線で東京へ戻る。
｢はぁ〜〜…どんだけ彼氏が好きなんだよ…｣
｢フラレたの？｣
｢フラせてない。友達になった。｣
｢なにそれ。
あの子の彼氏、烏野のスタメンの誰かだと思う。観客席から距離あったから人は絞れないけど。｣
ゲームから目を離すことなく研磨は言う。
烏野のスタメンか…
どいつも皆カッコイイじゃねぇか…！
ノッポくんは親戚で無いとして…こんなこと考えても現状が変わる訳じゃねぇよな。
｢別れねぇかなぁ…｣
｢…そう言う事、口に出すのやめなよ。｣
｢漬け込むのが1番手っ取り早いじゃん。｣
｢…最低｣
｢何とでも言え｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 664人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lll - なんでセリフの、『うちのマネージャー』とかってセリフの『うち』を『家』にするんですか。 (2020年1月13日 0時) (
レス) id: a71a6c5cea (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - ふぃるさん» こんにちは。コメントありがとうございます！更新遅くてごめんなさい!!頑張るのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年11月22日 7時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - とても面白いです！更新大変だと思いますが頑張ってください！楽しみに待ってます！ (2019年11月21日 18時) (レス) id: 18bc544e11 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - LaLaさん» 初めまして!コメありがとうございます。ハイキュー初で更新緊張してますが頑張ります！ (2019年10月18日 21時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
LaLa(プロフ) - めっちゃめちゃこの話いいです！更新頑張ってください！ (2019年10月18日 7時) (レス) id: 753ee3afdd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モカ
| 作成日時：2019年10月17日 0時
