合宿終了。4(第三部完結) ページ17
「あはは、そうだねそんな大した事ではないと思うよ。ただ……」
私の言葉に皆に言うように孝支先輩は笑いながら言うが、つい、と徹くんへと視線を移すと。
「もしかしたら唯一大王様が今までにやった事があるかもしれないしないかもしれない事ですけど」
そう言って不敵かつ満面の笑みで笑って見せた。
『────……………』
大地先輩の圧の比じゃない。驚愕からくる重たい雰囲気に全員が押し黙った。孝支先輩はどうしてしまったんだろう、と私が孝支先輩を凝視していると。
「────Aちゃん」
「は！？はいっ！！？」
今まで黙っていた徹くんが口を開いた。思わず思い切り肩を震わせて返事をする。と────
「────………帰ろうか！」
ものすごく笑顔で言われた。
(((((考えるのをやめたな！？！？)))))
多分その場にいた徹くん以外の全員が同じ事を思ったと思う。色々考え過ぎて逆に無我の境地に至ったのだろうと予測してはこれ以上事を荒立てない為にもこれを使わない手はない。私は大きく頷いた。
「うん！帰ろう！！では、皆様お疲れ様でした！！！」
私は凄い勢いで頭を下げるとまだどこか放心状態の徹くんを引っ張って脱兎の如くその場から離れた───
──────
「……スガ、お前どうしちゃったの」
「いや、本当どうしたんだ」
「大地は人の事言えないじゃん！まさか真っ先に威嚇しにいくと思わなかったし！」
旭と大地が恐る恐るこちらに話しかけてくるのに俺は笑うとさらっと大地に突っ込んでやる。
「あ、ほらいやあれはAちゃん困ってたしな！？」
「まあそうですけど……」
焦る大地に西谷が微妙に納得行かない、と言った表情で大地を見ていた。
「いやそれよりも菅原さんがあんな事言うのが俺はびっくりしたんですけど！」
「そう？だってAちゃんは烏野のマネージャーだし、「うちの」姫烏様だってそろそろしっかり言っといた方がいいかなーって、ね、大地」
「！あ、まあ、そうだな……？」
日向の言葉に俺はそう返すと大地にそのまま話を振る。自分が言った事でもある為か大地はぎこちないながらに頷いていた。
「───なるほど。僕も賛成です」
「毎度「うちの」マネージャーにああだと、ちょっと目に余るからね」
「そうですね、そろそろ及川さんには幼馴染離れをしてもらいましょう」
「！もしかして高度な心理戦……！？」
結局最後まで全く落ち着く事がないままにGW合宿はついに終了したのだった───
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作者名：さくら | 作成日時：2020年4月5日 20時
