東京合宿・day4 7 ページ17
その後田中さんと及川さんは散々話が盛り上がり(愚痴からいつの間にかお互いが何故相手を好きなのかのプレゼン合戦になっていた)、周りにいたそれぞれがそれぞれの反応をしつつそれを聞いていた(呆れたり納得したり様々)。
「まさかボーズ君とこんなに話が合うとはね……烏野にも話がわかる奴がいたとは意外だったよ」
「いやー俺もちょっと意外だったっスね……お互い頑張りましょうや……また報告するっス」
「もうガチで友情芽生えちゃったやつだよこれ」
「まさかの展開……」
満足げな2人に菅原さんと東峰さんが呟くと、周りの面子も困惑した表情で2人を見る。勿論俺も。
と、話が終わったからか突然こっちへと話が振られた。
「───とにかく、ちゃんと写真と報告忘れないように。忘れたらどうなるかわかってるだろうな」
「?写真と報告?って何?」
「いや……なんか自分から連絡が取れないから代わりにAの様子と写真を送るようにって」
『…………写真?』
及川さんの脅しに俺が肩を震わせていると、山口がきょとんとした様子で首を傾げた。それに経緯を説明していると、やや間を置いて全員がハモった後動揺が走った。
「写真?写真ってなんだ」
「えっ写真??……盗撮……?」
「とっ!?!?」
「言っときますけど命令ですからね!?俺が進んでやってる訳じゃないっスよ!?!?」
まずい……!これではまるで俺が進んで盗撮したみたいになってしまう……!!あくまでも及川さんの命令である事を強調しておく。
────が、俺が焦っているのをよそに他のメンバーは全く違う所で反応をした。
『撮った写真を見せろ』
「はあ!?……っつってもまだ2枚しかないですよ」
『いいから!!!』
「は、はあ……この2枚ですけど」
と、俺は及川さんの通話画面を一旦バックへとやって写真のフォルダを開いて見せた。
1枚目はお昼のあのよく撮れてる写真、2枚目はさっきのドライヤー権争奪戦だ。
全員が食い入るように写真を見た後、澤村さんが静かに一言呟いた。
「…………後で俺達にも送るように」
「そうだな。それは共有財産だ。後残りの合宿中に清水と谷地さんの写真もいい感じに集めろ」
「あーっ!?!?ちょっと飛雄写真消せって言ったのにお前ー!!」
「あの後すぐ練習始まったから消す時間なかったんですよ!っていうかうちの主将と副主将の命令なんでこれは共有財産という事で」
続いて菅原さんも神妙に頷く。消す時間に関しては嘘だが面倒なのでそういう事にした。
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作者名:さくら | 作成日時:2020年6月10日 22時