東京合宿・day4 6 ページ16
「?気遣われてんのに電話かけてくるなって言われてんのか……??」
「あっ!!そういえばこの前A言ってたな!!「付き合う気はないって言った」って!その辺り関連してんじゃねーか!?」
「そういえばその話が出た辺りAちゃん、大王様の事避けて帰ろうとしてたもんな」
田中さんが首を傾げながら呟く。それに西谷さんが名推理!!とばかりに声を上げ、菅原さんが思い出したように呟くのに俺は目を丸くした。そうだったのか?その辺りは知らなかった。いつの間にそんな事があったんだ?
「………大王様、それ脈ナシって言いませんか」
「言いません!!!」
「俺なら距離を取ろうとされた時点で心が折れる……及川すごいなあ……」
「旭さんガチで感心してるじゃないスか」
「お前はへなちょこ過ぎる」
トドメを刺そうとする月島と、それをいつも通りの強メンタルで跳ね返す及川さんに、東峰さんが心底感心したように呟いていた。それに思わず西谷さんと澤村さんが突っ込んでいる。澤村さんは相変わらず東峰さんには辛辣だな……と、ここで突然田中さんが声を上げた。
「いや、そんな事で心が折れてたら得るもんも得られねえ……!俺はそこの気持ちに関してはわかるぜ……!!」
「えっなになに突然!?なんで急にボーズ君は俺の味方になったのコレ」
「ああー……清水先輩か……」
突然の援護に及川さんがぎょっとしていると、山口がぽつりと呟いた。───そうか、そういえば田中さんは清水先輩が好きだったんだったな。
「難易度の高い相手を好きになっている、っていう点で親近感が湧いてますねコレ」
「え?あ、ああそうなの!?そーゆーコト!?そうなんだボーズ君は女王様がねえ……」
俺がそう言うと及川さんは目を丸くしつつも納得したように呟いていた。それに田中さんが続ける。
「そうなんスよ!!でも及川さんはそもそも幼馴染っつー最強カードが手札にあるんスから、俺なんかよりよっぽど有利な筈……それでも苦労するなんて意外とAちゃんはやり手だな」
「あ、わかる?そうなんだよね、昔は俺の後ろをずっとついて歩いてべったりだったのに最近はね……急に素直じゃなくなっちゃって」
「年齢的なもんスかねえ……でも気遣われてるんなら嫌われてる訳ではないから全然余裕っスよ!!」
「えっ何コレなんか友情芽生えてない……?」
2人の間で話が盛り上がってきた。菅原さんが顔を引きつらせて2人を指差すのに、俺達は微妙な表情で2人のやり取りを見ていた。
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作者名:さくら | 作成日時:2020年6月10日 22時