滅びの国の魔法の学び舎 part.2【HQ!!】 (ページ5)

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私の、生まれた頃の話をしよう。これは聞いた話と、記憶の中の事だ。

私は生まれた時、守護者がいなかった。どんどん痣の進行が進んで、それでも私が生まれた病院では守護者の生成はできなかったから。

私は『どうせ死ぬんだろうな』、そう諦められていたらしい。

守護者のいない無属性の魔導士など、生きていける筈がなくて。
ただ存在したという証拠しかなくなって、死んでいく。そういう存在だと思われていた。

でも。

ある時誰かが心の中で話しかけて来たんだ。それは明らかに善人ではなくて。でも一人ぼっちだった私には救いの声に聞こえたし、悪人の声にも聞こえなかった。

『ねえ、1人なの？お揃いね』

酷く悲しそうな声に、私は確か目を開けたんだ。話す事も出来ないのに、ただ目を開けて手を伸ばして。

『私ね、夕闇燈っていうの。貴方は？……分からないか』

夕闇燈、多分、最初は綺麗な名前だとそう思ったのだと思う。

『どうしても1度だけ、殺されてもいいから会いたい人がいるの。もう死んでるけどね。だから貴方の、守護者になってもいいかな』

その時、私は同情して頷いた。生きたいとかそういう意思など関係なく、ただの同情で。

それは、人口守護者を作り出すための実験の最中だったらしい。

人口守護者は、守護者のいない人の魂の一部を使って作る。その方が定着しやすいから。

また、どんな人格になるかは前世が関わっているらしい。
つまり、私の前世は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

夕闇燈だ。

私は、夕闇燈の生まれ変わりだ。私は夕闇燈で夕闇燈は私。

夕闇燈はまだ、生きている。
そして、世界をまた滅ぼす。今度こそ何もなくなって、誰もいなくなって、あの世で、許されてから夕闇燈は及川徹に会いに行く。

そういう目的のために、夕闇燈は、私は世界を滅ぼす。