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最終章〜呪いが解けた世界〜 ページ29

滅ぼしの魔女は、ただの恋する少女だった。

滅ぼしの魔女は、人の幸せを望む少女だった。

悪じゃない、正義の少女だった。

呪いなんて、かかるべきではない少女だった。

今はもう、罪を償って、彼岸で静かに暮らしているのだろうか。それは、誰にも分からない。
_____________________

〜3年後〜

「A!」

懐かしい声で呼ばれる。それにとても安心してしまって、その声が、やっぱり好きだなぁ、なんて思ったりして。

「テツ先輩、皆さん、お久しぶりです!」

ブルークリスタル魔法騎士学校を卒業して、今日はあの時のAクラスの人と会う日だ。

「んー……やっぱ、皆変わんないね」

及川先輩がしみじみと言うから、少し笑ってしまう。でも、それには同感だ。


「でも、皆、魔法騎士ですよ。少しは強くなったんでしょうね」

「そうだなー。久々にやるか?」

「嫌です」

そんな会話をして、街を歩く。そういえば、前もこんな風に話しながら、街を歩いたな、なんて考えながら、空を見た。

今は夕方で綺麗な夕焼けが見えた。オレンジに染まった空と、薄く染まった雲。

「何見てんの?」

「テツ先輩。いえ、ただ、空が綺麗だなぁって」

「そか。……ほんとだ」

あぁ、平和だなぁ、って。こんな時がずっと続けばいいのにって。

そう、願うんだ。

それはきっと、誰もが願う事だから。きっと、叶えばいいなって、ずっと願っている。

そう思えるようになった理由になる人に出会えたのは、あの魔法の学び舎に行ったから。

だから、言わせてください。

「テツ先輩」

「ん?」

「ありがとうございます」

「何が?」

「いえ。秘密です」

笑顔でそう言って、いつかその本当の意味が伝えられるまで、待っててください。

これは、恋と魔法が交差した、そんな物語。

*end*

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設定タグ:ハイキュー , ファンタジー , 魔法学校   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:凛花 | 作成日時:2017年1月9日 16時

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