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もう、入れ替わりの時にも痛くなくなった頭が、少し嫌になっている。
楽しそうに、嬉しそうに自分の中で笑う夕闇燈と、周りを睨みつけるような表情をする私。
『ふんふーん♪あ、ねえ、今はどこに向かってるの？魔物だらけで綺麗な世界なんだけど、歩くと疲れるよ、やっぱり』
夕闇燈の言う通り、今は周りに魔物だらけになっている。フード付きのマントを深く被り、顔を隠している私に、誰も目もくれない。
いや、そうじゃなくても誰もこちらを見ないだろう。自分の命を守るのに精一杯で、周りを気にしている暇はないのだ。
「都市部に向かってる。そこを崩した方が楽でしょ」
『なるほどなるほど』
少し溜息を吐いて、前を見ると、狼のような、鋭い目つきをした魔物が迫ってきていた。魔物の目が赤く光って、自分に似ているな、なんて思いながら通り過ぎる。夕闇燈が殺してくれるから。
どしゃ、と後ろで何かが崩れ落ちた音がした。振り返りたくは、ない。きっと、それを見て傷つくから。傷つくのは嫌いだ。馬鹿みたいな、そんな思考。
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「あの、これ、どうするのが正解なんでしょう」
影山飛雄が全員の前でそう言う。何となく、いつもより自身なさげな言い方だ。
だが、そんな事が分かる人間はただ1人しか居ないはずだ。いや、影山もそれを知っていて聞いたのだろう。
「さあ。でも、これ、夕闇燈を止めれば終わりでしょ？」
及川が腕を組み、教室の壁に寄りかかりながら言う。
「これを起こしたのが死人だって？非現実的過ぎるでしょう」
国見もまた、座っていた椅子の背もたれに寄りかかりながら言った。
「まあまあ、そこら辺は研磨くんが知ってるでしょ？」
及川が言って、全員が研磨の方を向いた。研磨は居心地の悪そうに目をそらしてから話し始めた。
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作者名：凛花 | 作成日時：2017年1月9日 16時
