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『大丈夫だよ。壊すのなんて一瞬なんだから怖くないさ。なんなら、僕が手伝ってあげようか』

頭にまたあの声が響く。もう、これで何度目だろうか。

その声は共鳴して、だんだん思考もままならなくなっていく。痛い、頭が猛烈に痛くなって…………。

頭を抑えて俯く。ズキズキとした痛みではなく、内側から押されているような痛み。

「A?どうした?」

テツ先輩に声をかけられる。俯いていた顔を上げて、テツ先輩の顔を見ると心配してるという事が伝わるような顔をしていて、少しだけ嬉しくなった。

「すみません。ちょっと頭痛くて」

そう言うとテツ先輩は更に心配そうな顔になって。構って欲しいわけじゃないけど、体調が悪い時に心配してくれるのは嬉しい。

「家、帰るか?」

「んー……大丈夫です。いつもの事ですから」

テツ先輩は不機嫌そうに眉を寄せて尚更帰った方がいいと言う。

そんなに一緒にいたくないのだろうか……。

「……じゃあ、今日は失礼します」

「あ、ちょっと待て」

頭を下げてそう言い、自宅のある方を向く。そのまま歩き出す、その時にテツ先輩に引き止められた。

瞬間バチッと頭に衝撃が走った。思わず目を瞑る。

「……なんだこれ」

その声で目を開けると、先程とは違う不機嫌そうな顔で手を見つめていた。

私達が来ていない事に今更気づいたのか菅原先輩と日向くんが小走りでこっちに向かってきている。

「黒尾、手ぇ見つめてどうかした?」

菅原先輩がテツ先輩の顔を覗き込んで言った。
その後にテツ先輩の手を見て、眉を寄せる。

「…………それ、呪詛かなんかですか?」

日向くんもテツ先輩の手を見て、数秒考え込んでから言った。

「呪詛?」

私はその単語に思わず目を細め、眉を寄せる。呪詛自体は知っているが、何故私にかかっていたのかが分からないからだ。

「ああ、なるほど。だからだいぶ感じが違うのか」

「どういう事だ?」

テツ先輩が言うのに、菅原先輩が聞く。

「普通の呪いっつーのは大体自分の魔力を使うだろ?でもこれは違う。何属性にも属しない、式神の、もしくは霊のだな」

「夕闇燈の可能性もあるのか?」

菅原先輩が聞くが、それは愚問だ。逆に夕闇燈の他に誰がいるというのだろう。

「……とりあえず、今回は解散にするか」

テツ先輩が言って、全員が帰路についた。

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設定タグ:ハイキュー , ファンタジー , 魔法学校   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:凛花 | 作成日時:2017年1月9日 16時

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