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そんな思い出に浸りながら走っていたら、折り返し地点に到着した。ここで休憩だ。この間の時間はタイムに入れられないようになっている。

走って汗ばんだこともあって、山頂の風で汗が冷えてブルリと体が震えた。

手の先、足の先に血が通ってない感じがする。

チーム走なので、同じチームの人とストレッチしていたが、それも終わると皆んなが補食を食べ始めた。

私は寒さに耐えかねて、小銭を持って自販機まで向かう。紅茶でもレモンティーでもいいからあったかいもの、買おう。

自販機の前に着き、ぴったりの130円を投入する。どれにしようかなぁ、なんて悩んでいると、ふわりと肩に何か掛けられた。それは温もりを感じた。

びっくりして後ろを振り返る。







『え』





そこには、私の想い人である白布くんがいた。





「早く選べよ」


『あ、うん』


頭の回転が追いつかない。取り敢えず先にボタンを押すことにした。やっぱりここはほうじ茶で。

ガコン、と落ちてきたペットボトルを取って開封する。掌から、喉から伝わる熱。そして掛けられたジャージから伝わる熱。

『はぁ、あったかい。あ、そうだ、このジャージって』

「寒いんだろ」

白布くんは私の言葉を遮ってそう短く答えた。そして踵を返そうとする。

『え、いや、白布くんのだよね!有難いけど、私ジャージと飲み物で温まったから大丈夫だよ!』

そう早口で言い切ると、白布くんが顔だけくるりと振り返った。

「俺のだけど。ジャージ役に立ったなら、暑いし邪魔だから学校までアンタが運んで。お礼にでも」

そう言い捨てて走っていってしまった。




私は嬉しさと申し訳なさとに挟まれながらチームの元に戻った。

すると、川西やバレー部の先輩の声が聞こえてきた。意外と近かったようだ。

「えー、賢二郎珍しいじゃーん、どうしたの、練習でもジャージ脱ぐの遅いタイプなのにさー!」

「暑かったんで』

「そうか、風邪ひくなよ」

「はい!!」

「白布さんでも暑がるんですね!俺と格好お揃いですよ!」

「うるさい」







「へー、白布くんジャージどこやったんだろうね」

「体育でも脱がないからあんま焼けないので有名だよね」

そんなチームメイトの声に意識を引き戻される。

「あ、Aおかえり」

「ジャージ着てるじゃん!誰か貸してくれたんだ!良かったね」

『あー、うん、無事に!』

「もしかして白布くんだったり〜?」

「お、いつのまに!!」

周りが小声で茶化してくる。

▼→←白布賢二郎



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設定タグ:ハイキュー , HQ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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...syokatsu...(プロフ) - のりまきさん» そう言って頂けると嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年5月25日 15時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
のりまき - 初めまして!白布くん読ませて頂きました。とんでもなくキュンキュンしました作者さん天才です!!!これからも応援しています! (2020年5月25日 2時) (レス) id: a2e04f6f11 (このIDを非表示/違反報告)
...syokatsu...(プロフ) - 美穂さん» そう言って頂けると嬉しいです。これからもっと上手く書けるように精進していきます!本当に今回はありがとうございました(^-^) (2020年5月1日 22時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - 大地さんの見ました。キュンキュンしました!ありがとうございます! (2020年5月1日 20時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - ...syokatsu...さん» ありがとうございます! (2020年4月30日 15時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:...syokatsu... | 作成日時:2020年3月5日 13時

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