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白布賢二郎 ページ17

冬。

今日はなんとしてでも出場したくなかった持久走大会だ。

山頂まで走れだなんてどうかしていると思う。

嫌がってはいるが、クラス内で体力はあるほうだ。なんたってテニス部。外周で鍛えられてきた。

けども!寒さに強いわけではない。それなのに寝坊して慌てて学校に来た私は、よりによってジャージを忘れて半袖半ズボンだ。

こんな格好してるの、川西くらいだ。女子はみんな萌え袖して寒がっている。

白布くんの周りにも、白布くんが塩対応してもそこがいいってグイグイいく女子たちが温めて、って群がってる。

私もそれくらい強気でいられたら、名前くらい覚えてもらえるのかもしれないなぁなんて現実逃避。

私は昨年から白布くんのことが好きだ。超高校級プレイヤーの牛島さんのセッターとして、血反吐を吐くような練習を自分に課して。

夏頃は、うちの学年でかっこいいと言えば白布くんって言われてる。そんなイメージしかなかったのに。

ある日、家の鍵を教室に忘れたことを思い出した私は、部活の後取りに行って、校門まで向かうところで体育館を覗いた。

唯の好奇心だった。誰が好きとか、誰を見たいだなんて、ミーハーにもガチ勢にも所属してなかった私だったけど、この夜遅くにまで誰が練習しているのだろうと気になってしまった。

そして白布くんの努力する姿を見つけてしまった。その姿だけで、私の心は持っていかれた。

学校では塩対応で飄々としているくせに、クソッ、なんて言って自分に納得できてなくて。只管高みを目指す彼に、鳥肌が立った。

それからというもの、部活の後は体育館の前を通るようになってしまった。私も部活があるから、応援したり練習見に行って黄色い声をあげたりなんて出来ない。通る時に少し姿を見られたらいいなってそれだけ。

そんな毎日を送ってた私だけど、一度だけ白布くんと会話する機会があった。私が川西と同じクラスで、隣の席だったから。

珍しく教科書を忘れた白布くんが借りに来て、偶々川西くんも忘れてて、隣の私に川西が声をかけてきたんだ。

勿論秒で貸した。

川西くん経由で帰ってきた教科書には付箋が貼られていて。シンプルに、助かった。ありがとう。そう書かれていた。

名前も言っていない、直接話したわけでもないけど、私はそれを会話って言ってる。だって白布くんは女子に声かけることもなければ、返事という返事もしないからだ。

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設定タグ:ハイキュー , HQ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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...syokatsu...(プロフ) - のりまきさん» そう言って頂けると嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年5月25日 15時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
のりまき - 初めまして!白布くん読ませて頂きました。とんでもなくキュンキュンしました作者さん天才です!!!これからも応援しています! (2020年5月25日 2時) (レス) id: a2e04f6f11 (このIDを非表示/違反報告)
...syokatsu...(プロフ) - 美穂さん» そう言って頂けると嬉しいです。これからもっと上手く書けるように精進していきます!本当に今回はありがとうございました(^-^) (2020年5月1日 22時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - 大地さんの見ました。キュンキュンしました!ありがとうございます! (2020年5月1日 20時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - ...syokatsu...さん» ありがとうございます! (2020年4月30日 15時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:...syokatsu... | 作成日時:2020年3月5日 13時

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