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初めて澤村以外の人物を撮った、その日の夜。
偶々廊下ですれ違ったのは澤村。
「A、お疲れさん」
『澤村も、残るは明日だけだね』
「今からちょっとだけ、話さないか」
『いいよー、少しね』
二人でロビーのソファーに腰掛ける。この距離もいつぶりだろう。
沈黙が訪れる。
先に口を開いたのは澤村だった。
「人、撮ってなかったんだな」
『うん、まぁねー』
「すまんな、気づいてやれてなかった」
『澤村のせいじゃないし気にしないでよ』
「でも、幼馴染だろ」
『うん。でも、幼馴染なだけっても言えるよ』
「それでも、他人じゃないだろ」
『それは永遠に。私の初恋は澤村だし、今は兄のような存在だと思ってる』
「俺の初恋もAだし、俺も、妹みたいに思ってる」
そう思われるだけで、あの頃の私が報われる気がした。
『だから気に病まないでよ。高校生なんだからお兄ちゃんに隠したいことなんて一つや二つあるって！』
笑ってみせると、澤村も小さい頃から見てきた笑顔で笑ってくれた。
「そうだな！なんかなぁ、娘を嫁に出す気分だ」
きっともう私は大丈夫だ。澤村をカメラに写すこともできる気がする。あの頃の私を許せる気がする。
「あー！！いた！A！今から俺らでトランプするんだよ！こいよ！」
梟谷のメンバーが雑魚寝する部屋から顔を出して木兎さんが私を呼ぶ。
『わかりました！今から行きまーす！』
「少し、悔しいよ。Aが撮りたいと思ったのは、アイツなんだな」
大地が呟いた。
『んー、まぁあんなに惹きつけられて思わず体が動くのは初めてだったよ。
けど、私がカメラを始めるきっかけをくれたのは澤村だから。
それはこれから先も変わらない。原点は澤村。だからどちらとも比べるなんてできないの』
ふっと、澤村は微笑んだ。苦笑だったのかもしれない。
「はー、引き留めてすまんな！明日はウチが勝つから、勝ったら俺らのことも撮れよな、烏野の生徒だろ！」
私が口を開こうとする前に、後ろから答えが来る。
「明日も俺たちが勝ーつ！」
両手を腰に当ててニヤリと笑う木兎さん。
「残念ながらAがうちの専属カメラマンってのはコーチも認めてるんでー」
そう言ってニヤリと笑う、レギュラー。
本当。会ったばかりなのに、こんなに親しくしてくれるのはなんでなんだろう。胸がポカポカする。
『澤村、烏野を撮るなら春高で、ね』
私もニヤリと澤村に笑った。
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...syokatsu...(プロフ) - のりまきさん» そう言って頂けると嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年5月25日 15時) (
レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
のりまき - 初めまして！白布くん読ませて頂きました。とんでもなくキュンキュンしました作者さん天才です！！！これからも応援しています！ (2020年5月25日 2時) (レス) id: a2e04f6f11 (このIDを非表示/違反報告)
...syokatsu...(プロフ) - 美穂さん» そう言って頂けると嬉しいです。これからもっと上手く書けるように精進していきます！本当に今回はありがとうございました(^-^) (2020年5月1日 22時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - 大地さんの見ました。キュンキュンしました！ありがとうございます！ (2020年5月1日 20時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - ...syokatsu...さん» ありがとうございます！ (2020年4月30日 15時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：...syokatsu... | 作成日時：2020年3月5日 13時
