【おそ松さん】頼むから燃えてくれ！【色松】

16　チョロい奴は騙されやすい ページ18

「ただいまマイブラザー！俺たちからのプレゼントだ！」



陽気なカラ松さんの声と共に、どさりと投げ出される私。

人をモノ扱いすんな！と怒りたかったけど、私を囲んで驚いたような表情のゾンビサンタたちに口を閉じる。



「え、なに……誰この子？なんで女の子が？」

「あれ、Aじゃん！なになにどーしたの？俺に会いに来たの？」

「あ、おそ松……」


困惑した緑サンタの隣で、ニコニコ笑うおそ松。
なんだ、コスプレだったのか。私はこっそり息を吐いた。



「ちょっと、なになに？知り合いなの？」

「トド松オレも！オレも知り合いー！！」

「十四松兄さんまで！？ええっズルい！僕にも紹介してよ！」



なんだがきゃっきゃと盛り上がる輪の中で、ホラー感が消えたことにホッと胸を撫で下ろす。
よかった、法を犯してる人たちじゃなくて。



「まあまあ焦るなブラザー。ここはAの彼氏である俺が紹介を」

「ぼくトド松！Aちゃん、ライン交換しない？」

「あっ、えっと、チョロ松です！いつもコイツらがお世話になってるみたいで……」



華麗にカラ松さんをスルーして、まだ面識のなかった二人がにこりと私に笑いかけてくれる。

挨拶を返して連絡先を交換していると、おそ松がどかっと背中に寄りかかってきた。



「はあ〜女の子の感触ぅ〜！クリスマスに女子と触れ合ってると思うと幸せぇ」

「……そのためのプレゼントらしいしね」

「それってカラダ的な意味で捉えてオッケー？」

「黙れクソ長男！」



食い気味のおそ松の頭をゴンと叩いて、申し訳なさそうに頭を下げるチョロ松さん。



「すみませんAさん、無理に連れ出されたんじゃないですか？」

「えっ！？い、いや、そんなことは……」



シャンパンに釣られたなんて言えるはずもなく。

わいわい賑わう六つ子のそばで、そう言えば件のシャンパンはどこかとおそ松にこっそり問いかける。
彼はキョトンとした顔で私を振り返った。



「シャンパン？んなもんねえよ、あったら飲んでるもん」

「えっ？で、でも……」



不思議に思って一松さんに目を向ける。
視線に気付いた彼は、やっと気付いたかとでも言いたげな顔でニタァと口角を上げた。


……まさか。



「は、ハメられた……」

「えっ！誰に！？」

「シャンパンなんてなかったんだ……」

「おい誰にハメられたんだよ！ずりぃよ！俺にもハメさせて！！」



おそ松に肩を揺さぶられながら、私はガックリと肩を落とした。

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