四半純血のプリンス (ページ13)

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震えるハーマイオニーの手をぐっと握る

「大丈夫、きっと大丈夫だよ」

自分の手も震えていることには気付いているけど、ハーマイオニーを元気づけるにはこうするしかない
洗面器の下に潜っていてもトロールの棍棒は時折私達を掠める

勇敢にもトロールに立ち向かっているハリーとロン。
一瞬目を離した隙に、なぜかハリーの杖がトロールに刺さっていた
…これじゃハリーは丸腰だ…

「うわぁあ！？」

丸腰の彼は、トロールに足を掴まれ宙吊りにされてしまった
…私に使える魔法じゃ彼を救えない
私は、父の闇の魔術に対する防衛学の才能を充分に継ぐことができなかったから。
どうしよう？どうすればハリーを救える？

「ウィ、ウィンガーディアム・レビオーサ！！！」

考え込んでいた頭にロンの堂々とした詠唱が響いた
ハリーに振り下ろそうとされていた棍棒が、トロールの頭上を舞っている

皆が棍棒の行方を見守る中、それはトロールの脳天を強打した

「…やった！倒した！」

トロールが地に沈んだのを確認して、歓声が上がった
と、入り口から私達を呼ぶ声がした

「ミス・グレンジャー、ミス・ス…A！無事ですか？！」

「マクゴナガル先生！私達は無事です！ロンとハリーが守ってくれました」

そう言って2人に抱きつくハーマイオニーは、もうロンを許したらしい
少し後ろで見守っていると、ハリーと目が合って軽く手招きされた
…私は遠慮しておくよ…
野次馬がいっぱいいるし、ハグなんて慣れてない。

「…理屈を並べるよりこういう時は素直になった方が良いのですよ」

マクゴナガル先生に軽く背中を押されて、3人に向き合うとおひさまみたいな笑顔で手を広げて待っていてくれていた

「A！早くおいでよ！」