四半純血のプリンス (ページ1)

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「こんにちは、そこ座ってもいい？」

「いいよ。僕はハリー。ハリー・ポッター。君は？」

「…生き残った男の子？私はA…そっちのあなたはウィーズリーさんちの子？」

「うん。ロン・ウィーズリーさ。よろしくね」

お菓子が沢山のコンパートメントに腰掛けた少女はにっこりと笑った
ハリーの緑色の目によく映る黒いワンピースに黒くしなやかな髪。
これから魔女を目指すための学校に行くというのがよく分かる出で立ちだった

「フレッドにコイツを黄色にする魔法を習ったんだ…見たい？」

2人が頷いた瞬間、コンパートメントの扉が開かれた

「ヒキガエルを見てない？ネビルのがいなくなっちゃったの」

「…見てない」

詠唱を止められて少し不機嫌なロンを、くせっ毛の彼女は気にも止めない

「あら、ネズミに魔法をかけるの？ぜひ見たいわ！」

「おひさま、ひなぎく、とろけたバター…このドブネズミを黄色に変えよ！」

コンパートメントに火花が散り、彼の手の中でネズミがもがいたがそれだけだった
ネズミは黄色に変わらない。

「…その呪文、合ってるの？私は簡単な呪文しか試したことが無いけどみんな成功したわ。例えばコレとか」

ハリーの対面、Aの隣の席に座った彼女が杖を振る

「オキュラス・レパロ」

ハリーの割れた丸メガネが新品のように輝いて、彼の額の傷があらわになった
少女はハーマイオニー・グレンジャー。
軽く手を振って彼女のコンパートメントへと戻っていった

「もうじき着くはずだよ。早くローブに着替えた方がいい」

「分かったよA。それよりこのお菓子の山を減らすのを手伝ってくれない？」

「百味ビーンズはお断り。蛙チョコなら手伝うわ」