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次の瞬間、ハリーの杖先から、銀色の、大きな角を持った鹿が現れた。
牡鹿は必要の部屋をぐるっと一周すると、ハリーの横についた。皆がその様子を、声も出さずに見つめていた。
もう一度、先程よりも一層大きな歓声が響き、素晴らしい先生の呪文を褒め称える。
「さぁ、皆もやってみて。
大丈夫、最初から出来る人は殆ど居ない。僕だって、3回目でようやく、銀色の霧みたいなものが出ただけだったんだから。」
忽ち、部屋は守護霊の呪文を唱える声で溢れた。
暫くして、ハーマイオニーの杖先から銀色の1本の線が飛び出した。
「凄いよ、ハーマイオニー！」
その場に居た、ザカリアス・スミス以外の全員がハーマイオニーに拍手を浴びせた。
恐らく、最初に有体の守護霊を出すのに成功するのは、ハーマイオニーだろう。
Aは幸せな思い出を探した。
ホグワーツに来た最初の日、姉と過ごした幼少期、それから＿＿
「エクスペクト パトローナム！」
杖を一振りする。
しかし、銀色のものは出てこない。
もう一度、幸せなことを思い浮かべた。
きっと、幸せさが足りなかったのだ。きっとそう＿＿
今度は、今まで成功したことの無かった麻痺呪文が、DAで初めて成功した時を想像する。
杖から赤い火花が飛び出し、対象物を気絶させることが出来た、あの瞬間。
「エクスペクト パトローナム！」
気づけば殆どのメンバーが、銀色の霧を微かに出現させることに成功していた。
ハーマイオニーはこの数時間で既に、大きなかたまりの守護霊を出せるようになっていた。
Aは負けじと、杖をもう一度振る。
しかし、杖は何も変わらない。それどころか、バチッと音を立て、手から滑り落ちてしまった。
焦りからか、鼓動が煩く肋骨を打ち付けるのが嫌という程全身に伝わった。
大丈夫、ハリーは最初から出来る人は殆ど居ないと言っていた＿＿
「杖、落ちたよ？……A？」
ロンの声でAは気がついた。
お礼を言って、念の為他の呪文を試してみる。
若しかしたら、出来ないのは守護霊の呪文だけじゃ、無いかもしれない。
「
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Canaria(プロフ) - Kaitlynさん» 有難うございます！励みになります^^ (2020年5月28日 12時) (
レス) id: 76f9154df3 (このIDを非表示/違反報告)
Kaitlyn(プロフ) - とても面白いです！ワクワクしながら読ませて頂いています。無理せず更新頑張ってください！応援しています(^^) (2020年5月27日 23時) (レス) id: a8b20e8257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Canaria | 作成日時：2020年5月10日 16時
