幽霊船で迷子になりました【浦島坂田船】

Trick or Treat ページ1

今日はハロウィン。

キャッキャと騒ぐ子供達を横目に

私は去年の事を思い出していた。







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、



、





…………あの日、私は確かに見た。


１人の少女がお姫様抱っこをされて、


猫狸によって何処かへ連れ去られた事。


………やっぱり、あの噂は本当だったんだ………


そう思い、肩を震わせて渋々外に出る。


『っ………』


皆は楽しそうにしてるし、


去年、あの人と一緒のクラスの人も


愉快気に話している。


『………………』


去年の出来事、忘れたという訳では無さそう。


少し、冷や汗が出ているのを私は見た。


『…………怖い』


次は誰が連れ去られるんだろう。


……もしかすると、自分？


そう思い、足が震えた。


『………………何処に、いますか』


早く、帰って来てよ。









、









、









、








『A、さん…………』





「Trick or Treat」


『?!』


「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうよ？」


そこにいたのは、


『A、さん………?!』


「……っ、…………うらた、早くして」


「はいはい」


『?!』


あれ、何だか眠たくなってきた………


「んじゃ行くぞ」


「何で私までこんな事に………」


「それはあのアホに言え」


『………な、んで………』


そこで、私の意識は途絶えた。

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