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もう会わないはずだった
はずなのに───
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《《「凄まじいバドルの末、決勝戦勝者は麻天狼に決まりました！！」》》
観客席からの歓声が止まりません。天井から飾り具が舞い落ちてきました
───さあ、貴女はステージに散りばめられたそれらをチェリーピンク色のヒールで踏まないといけません
人魚のヒレのように下に広がる黒いドレス。背中はセクシーに開き、マゼンダ色のリボン胸の前で揺れています
手にはマイク
心臓の近くで中央区のバッチが光ります
《乙銃女「優勝を手にとったシンジュクディビジョン【麻天狼】には特別バドルを行ってもらいます」》
黒い髪は短い部分だけが肩に落ち、残りの長い髪は後ろで束ねられています
凹みのないサングラスに視界をシャットアウトされ、相手に顔は見られない
唇にひかれた赤い唇だけ視線が留まります
《乙銃女「彼女はSecret,Secret.我々、中央区代表とラップバトルすることを許します」》
『･･････』
なんでこんなことに･･･
マイクを固く握ります
独歩「え？勝ったのにまた戦うっていうのか？」
一二三「どういうつもりなんでしょう先生」
寂雷「それは分かりませんが、彼女たちと戦えるのは滅多にないことです」
彼らは乗り気だった。いいや、彼らだけではない。観客席に座っている各ディビジョンの連中もだ
無花果「先攻は【麻天狼】！！
では、始め！」
一斉に襲いかかってきた。私が構えるも先に彼らたちは言葉の力を私にぶつけてきた
『うぐッ』
────聞きたくない──痛い───
言の葉党への怒りは凄まじかった
耳から脳へ
脳から身体中を痛みが蝕んでいく
『あぁ･････』
独歩「倒れた？」
一二三「あれ？そうでもなくない？」
頬にはすでにステージの床があった
カンカン、とヒールの音が遠くから聞こえてきた。無花果様が起き上がれと睨んでくる
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作者名：真灯
| 作成日時：2021年5月30日 20時
