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無花果「ナミはいつも仕事ばかりをしている…熱心なことはいいが、自分の体の心配もしてほしかった…」
「だから、やることの少ないあの掃除をさせた…」
『(…まさか、休憩できるように命令をくださったなんて…知らなかった…)』
無花果「サボっても良かったんだぞ？」
『サボることなんてできません！』
無花果「ははっ、私は…嫌われることを覚悟して、お前に上からな態度をとり…休んでほしいがためにあの仕事を頼んだはずなのだが…」
「お前というやつは」
無花果は紅茶の水面に自分の伏せた顔を映した。その表情からは申し訳なさが感じられた
無花果「まさか…真面目に掃除をするとは思わなかった…」
その伏せた瞳はいつもの無花果とは違う。さっきの乙銃女と同じ悲しげな瞳にナミはまた苦しくなる
無花果は椅子から立ち上がると、胸がきゅっとしまったナミのもとへ跪いて、手を握った
無花果「怒ったり罵ったりして悪かった。一刻もはやくお前を休ませようとし、焦ってあんなことばかり…」
「いつも口走ってしまったあとは反省している…」
『(え、い、無花果様がひざ、ひざ、跪いて…！？)』
『い、無花果さ、立ち上がってください！貴女は私の上司です！』
無花果「もう私はお前の上司ではないさ。ナミは今、私と同じ地位にいるのも同然だ。ラップの実力もそうだろう？」
『あれは…無花果様がマイクを渡してくださって、たまたま偶然できただけで…』
無花果「(記憶がなくなってしまっても)」
「あれは偶然なんかではない。ナミの実力だ。ナミはすごい人間なんだぞ？」
「マイクを渡したのだって、ナミの実力を知っているからこそ預けられたのだ」
無花果は優しくナミのことを抱き締めた
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作者名：真灯
| 作成日時：2021年5月30日 20時
