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乙銃女「(私は…何も知らなかった…ナミを傷つけていたなんて…)」
この事故により、ナミをいじめていた人は全員、クビになったという。今もその開発局はあるが、ナミが開発チームに加わることはない
乙銃女がまたナミが傷つくことを恐れているからだ
乙銃女「(ナミは怒りも…反抗もしなかった…)」
「(＿＿いいえ、できなかった)」
「(記憶を失くしたことで…その酷い仕打ちを忘れてしまったから…)」
その気持ちを丸飲みしてしまえば、吐くことも、出すこともできない。ただ…その小さな体に溜め込むことしかできない
乙銃女はナミに視線を向けた
…そのせいで感情を失くしたナミに…
いや…失くしたはずだった＿＿＿
乙銃女「！」
『……』
乙銃女「(ナミがどこかを見ている…一体どこを…)」
ポー…と無意識に机のうえを眺めるナミ。その視線の先には籠に入った色とりどりのお菓子だった
『……』
乙銃女「(もしかして…)」
「食べたいのですか？」
『っ！？ あ…い、いいえ、違います。…見えたもので…つい…見惚れて…あ…いや、』
乙銃女「っ…」
ナミの色のなかった頬に桃色の雪化粧が見えた。それを見て、乙銃女は確かなものを見つけたのだ
ナミは驚いた乙銃女の表情に目を見開いた
『あの…乙銃女様、どうかなさいましたか？私が何か…』
乙銃女「…いいえ、取り乱してしまったようですね」
「私が貴女を呼んだことはひとつです」
「ナミ」
「大きくなりましたね」
『え…』
ナミを見て、悲しそうに笑う乙銃女の姿。それを見て、また私が何かをしてしまったんじゃないか、と不安になるナミ。すぐに頭を下げようとしたが、床に乙銃女の足が写った
頭を優しく撫でられる
乙銃女「もう、そんなことをしなくていいのです…貴女にはつらいことをさせてばかりですね…」
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作者名：真灯
| 作成日時：2021年5月30日 20時
