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盧笙side
放課後＿＿＿
鍵当番になった俺が向かったのは各教室だった。見回りっていうんかな？
「(あれ？電気つけっぱのクラスがある…)」
「(7時やし…もういーへんやろうな…)」
そう思い、ガラリと玄関のドアを開けると…
「ぇ」
教室の真ん中に生徒がいることに気づいた
座っているというより…ダラーンと寝ている…
し、死んではいないはず…
そぉーと近づくと幼い顔がスヤスヤ寝ていることに気取る
「ナミか…(ほんま、女の子みたいな顔やわ…)」
机にだらん…と寝ているのは、俺の恩人であり、初日からえらい出会い方をしてしまった生徒やった
「ナミの気持ち良さそうな寝顔を見ていると…」
「こっちまで安心しきるわ…」
つい、安心して、ナミの前では本音を漏らしてしまう
「(こいつのおかげで、あまり緊張しなくてすんだ…)」
「(誇りに思うで、ナミ…)」
「ほんまありがとな」
クスッ、と微笑み、感謝の気持ちとして頭を撫でた
髪はふわふわとしていて、まるで犬を愛でているようやわ
「ナミも疲れたんやろうな…」
こいつが寝ているんは疲労が溜まったからやろう、と感づく
「(俺にも気遣ってくれたわけやし…)」
生徒が先生に、なんて珍しいことあるけど
感謝は感謝やな
お疲れ様…とよしよししていたら
「そういや、下校時過ぎとるやん！」
今の時刻を思い出して、ナミの髪からパッ、と手を離そうとした
「(あかん！起こさなきゃあかんのや！！)」
しかし、ナミの髪の毛が爪に引っ掛かり
すぅーと10本ぐらい髪の毛が抜けてしまう
「え…？え…？」
一瞬、ホラーみたいなものかと思ったけど違う
サラリ、とナミの髪の毛が机のうえに広がった
この光景には目玉が飛び出そうになる
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作者名：真灯
| 作成日時：2021年5月30日 20時
