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盧笙side
「(って、メガネ？)」
そういえば、このメガネを貸してほしいって言っとったな！
俺のか！？と思って自分の顔面に触れたけど、ちゃんとメガネはあった
「(なんでもう1個メガネが…)」
『ジャジャーン！マジック大成功〜♪』
「え？ど、どっからそのメガネ出したんや？？？」
『超能力やねん』
「さっきマジック言うたろ」
コツン、とナミのおでこを叩く。こんな時でも俺は冷静なツッコミができるんやな…と感心もしてしまった
『いてて…』
とナミは自分のおでこを押さえた
「(そんな力入れてへんけどなぁ…)」
痛かったなら申し訳ない、とナミの頭を触れようとしたが
ナミの名前がステージの向こうで呼ばれてしもた
『ほな、行ってくるな』
ナミはニコッ、と笑うと、どこからか出してきたメガネを掛けて、凛々しい目付きに戻す
「(そういやアイツ…レンズ越しなら人の視線が怖くないとか言っとったな…)」
ナミの背中は俺よりも何回りも小さいのに…頼もしく感じる…
恐怖がそこにはないみたいだ…
その背中にドキッ、としてもうたのは何でやろ…
「(俺も頑張らへんと…)」
「あれ…？」
「(さっきまでの緊張があらへん…)」
「(ナミがボケて、俺が冷静なツッコミができるようになったからか？)」
「(よう…わからんけど、ありがとうな)」
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作者名：真灯
| 作成日時：2021年5月30日 20時
